Transactional Analysis(交流分析)

Column 04

成長、変化を妨げるもの

杉田先生の講座ノートより ~あなたはどこを、どう変えますか?~
 2006/11/20~

No.01 どうやって自分を変えていくか →   No.02 行動は感情が規制するもの →   No.03 「変わる」ことについて →   No.04 サボタージュの言葉について →   No.05 役に立つ面接技法 →   No.06 言葉より雰囲気を大事に →   No.07 流れ= 悩む → 葛藤 → 育成

Column No.01 


どうやって自分を変えていくか

“どうやって自分を変えていくか“という課題に対して、このような講義だけでは不十分なので、本を読みましょう。そして「よい私に変える」練習をすることが必要になってきます。
そして、「変わる」時には、必ず邪魔者が入るものなので、邪魔者を除いていかなければなりません。

邪魔者とは

  1. 「ガンでもないのに、自分はガンだ」「エイズでもないのに、自分はエイズだ」など身体機能についての誤解や思い込み
  2. リストラやアスベストなど環境上のストレス 
  3. 運動不足、偏った食生活の習慣、メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病などゆがんだ生活習慣 
  4. こだわりすぎる性格や自己愛性格など性格上の問題
  5. アレルギーなど体質上の問題
  6. 人間の奥の奥にあるもの「人は最後には死ぬのだ」「死の不安に対してどうしていいかわからない」という実存的不安、
    ≪これについては、「大きな力の下に生かされている」「神や仏の力の中で生きている」という心境になると、実存的不安は解決に向かうものです。≫

心理学的には、③と④を主に扱います。


私たちはどこをどう値引いているのでしょうか?

 自分と他人の状況を「マイナスマイナス」のように考えるのを”値引き“と言います。マイナスのストロークが心を牛耳って、つまり”悪い私”が牛耳って、自分の中にあるいい面を見ようとしないのです。
 例えば、「自分をOKでないとみなす人」「この子はダメだ」と子供の中に潜む力を認めようとしないといったように「他人の価値を重視しない人」「お酒を飲んで運転しても大丈夫」と現実的な状況を無視する人や
 「あの人にはできるけれど、私にはできない」といった具合に自分と他人が混乱している人など。
 誰の中にも問題解決の力はあるのに、「私はそんなことできません」と自分の力を無視してしまう、軽視してしまいます。
 自分の中に変わってゆく力があるということを信じれば必ず人は、「変わる」ことができます。
 親は、「この子はだめな子なの」と、この子の中にすばらしい力があるのに、値引いてしまうのをやめましょう。


Column No.02 


行動は感情が規制するもの

自分の心を楽しい気持ちで満たすことは、大事なことです。

子供のあらばかり探さずに、ほめることを始めましょう。必ずあるよい所、少しでもいいから褒めましょう。
≪ほめている自分も気分が楽になります≫

落ち込んだときは、ものすごく苦しい嫌なところにたっぷり浸りましょう。

その時間を過ごすことで、少しずつ慣れによって楽になります。

空想してみましょう

海外旅行、例えば「ハワイ」に旅行に行きます。
①飛行機の時間は決まっていて、そのための準備をしている自分を想像します。これとあれをバッグに詰め込んで・・・。
②バスに乗って、空港に行って、飛行機が飛び立つところまでを想像します。
③ハワイにつき、そこの空気を思い切り吸い込んで、リラックスした気分になり、さあ、楽しむぞと思っている、自分を想像して浸りましょう。

すっきりした気分になります。

 嫌な気持ちになる、楽しい気持ちになる、これを繰り返すとくたびれた心を回復させることができます。ちょうどシャトルバスのように、苦しい場面と楽しい場面を心の中で行き来すると、ずいぶんと心は楽になるものです。

 人にとって睡眠は心と体を回復させてくれる大事なものです。
 心の疲労は「夢」が処理してくれます。夢は心の疲労を回復するためにあります。悪夢は心の問題が大きすぎると見るのです。
 レム睡眠といわれる、REMはrapid eye movementの略で眼球が左右に早く動く時心が回復するといわれています。
 人はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
 この方法を利用して、起きているときでも、少しの落ち込みには、「首をまっすぐにして眼球だけを左右に動かす」動作を繰り返すと、小さな悩みは解決するといわれます。  
試してみませんか?


Column No.03 


「変わる」ことについて

人は変われる。よい方向にも悪い方向にも、人は変わるものです。

 人が変わるいろいろな条件を考えて見ましょう。
 例えば、肉親の死など重要な人が亡くなった時からしっかりするということがあります。
 更年期、牧師やお坊さんから説教を受けるとか、結婚して遠くに引っ越した場合、成人喘息が起きるが、実家へ帰ると発作が治まるなど、何かがきっかけになると「変わる」ということがあるのです。
 私たちは、相手を変えようとすることが多いのですが、それは非常に下手なやり方で、強要して変えようとすると、ほとんど抵抗にあうものです。

自分で変わろうとするとき、妨げるものは何か?
それは、”禁止令”といわれるものです。

 小さい頃から親や養育者に「お前は何をやってもだめだ。「お前が男の子だったらよかったのに」「弟と比べてお前はダメだな」など非建設的なことを言われたり、またそういう目で見られたりすると、正常に幸福になっていくのを妨げられるのです。
 自分がどんな禁止令の下に生きてきたのか、その禁止令を探しましょう。
 それは正当に幸福になってゆくのを妨げるものなのです。
 「ないことにされた私」が心の奥にしまいこまれて、「いつもニコニコしていなければいけない」というように、人の成長から見るとまったく変なことなのですから。
 そのことに気づくことはとても大切なのです。

自分はどこを変えたいのだろうか。

自分の問題を具体的に明確にしましょう。

  1. 悩みがありますか?幸せですか?
    子供を叱りすぎる。子供にもう少し優しくしたい。自分の気持ちを出してみたい。等
  2. 何が解決すれば今より楽しくなりますか?
  3. あなたがこの人生で一番欲しいものは?
  4. 今の生活でもっとも望ましいことは?
  5. 今の生活で最も苦痛なことは?
  6. 「あのことさえなかったら別の人間になっていただろう」と思うことがありますか?

 次に自分の問題が解決した日には、どんな気分でしょうか?
 例えば「子供に意地悪を言う」自分を変えたいという場合、変えることができた日を想像しましょう。
 子供と和気あいあいと問題を話し合える日が来てとてもいい気持ちになる。
 家の中が明るくなる。
 自分の気持ちが穏やかになって、子供をやさしい目つきで見ることができるようになる。
 子供の為においしいものを作るようになり、子供を褒めることが増えた。

自分が変わったことをうーんと想像しましょう。
 いい気持ちになると、新しい行動をとるとりやすくなるものです。なぜなら、感情が行動を牛耳っているのですから。
 そして、相手を「変えよう変えよう」としない。
 途中で話の腰を折ってしまわない、一区切りの相手の話を聞いて発言しよう。
 相手に「言いたいことを十分話した」という気持ちを持たせることが大切なのです。

 「でも」「そうじゃない」をやめて、相手に話させる。
 相手の言うことを最後まで聞いて「あなたの言ってることは、○○ということなのね」「どういう意味で?」と聞きましょう。
 例えば、自分が変わった日にもう少し優しい目つきでいるとすれば、今日から子供に優しい目つきをする。
 1つでも2つでも、少しでもやさしい言葉かけをすることを増やしましょう。
 「お帰り」「お休み」などやさしく声かけしましょう。

 子育て、夫婦のことで、自分の心の中を探ってみると、PとCの間の戦いがあることに気づきます。
 気づくと、ほっとして肩の荷が下ります。すぐに解決しないけれど話すと気が楽になり、考える力が出てくるものです。
 今まで嫌いだった自分が少し好きになると、よい方向(変化)が起きてくるのです。
「~しなければならない」「~すべきだ」の契約はほとんどうまく行きません。「私はダメだ」という気持ちを強めてしまいます。
 言えば言うほどやらない子、がみがみ言う私、ついついあせってしまう私。
 最後に決まって後悔する、怒り、嫉妬、後悔、心配性、憂うつなど明るくない、楽しくない気持ちにさせようとする私の中の力をラケット感情と言います。
 あなた特有の楽しくない気持ちを早く探し、「よい私」に主導権を渡しましょう。
 子供にきついことを言うことを大幅に減らす、子供と話すとき最後まで相手の言うことを聞く。
 私たちは、親戚の子供が問題を起こしたとき、冷静にアドバイスできるのに、いざ自分の子供のことになると、もうだめなのです。


Column No.04 


サボタージュの言葉について

a)取り組んでみたいと思います
「子供に優しくしたいと思います」は、”思うだけ“で実践しない

b)あいまいな比較級
  もっと自信がつくようになりたいと思います
  もっと子供に優しくなりたいと思います

c)やってみます
 「あなたはそれをするのですね」「はい、やってみます」

d)できません―「しません」とほとんど同じ
  忙しくてできません
  考えることができません
  交流分析でやったことはできません

e)使役語、受身語
  そういう言い方は、私のやる気をそぎます
  考えられません―考えることができません
  子供が、私を心配(がっかり、イライラ)させるのです

 ≪自分が心配性、怒りんぼ、ゆううつ屋なのに、「子供が怒らせようとするのです」と子供や夫に責任転嫁し、自分の感情に責任をとろうとしない。自分の感情や考えに責任を持つことが、自分を変える大きな基本になるのです。≫

f)一般化
  人生とはそんなものではありませんか?
  人はみなそう考えるものでしょう?

 サボタージュの言葉は、抵抗勢力なので、ほとんど実践しないんです。
 サボタージュの言葉に注意して、例えば、「これをやってみる(したい、できる、しようと思う)とおっしゃっている。そう聞こえるのですが、するのですか?」「はい、します。」
「○○なるべき」ではなく「○○なりたい」という願望と結び付けて、なった日のことを思い描いて、いい気持ちになりましょう。これは、練習することで、なおります。


Column No.05 

2005/08/04

役に立つ面接技法

以下、私自身が自分に言い聞かせている職業訓練の講師・カウンセラー・一人の親としての心得です。「難しいですからねーーーー。」
  1. 相手に調子を合わせる
      相手の気分に敏感に感得し、相手の感情に焦点をあわせる。たとえば、「~はいやだ。」という言葉の奥に何があるのかを考えてみる。
  2. 時間を惜しまない
    「自分のために充分に時間を割いてくれる?」と相手は思っています。説教ではだめです。また、解説でもだめです。自分は「よい聞き手になっているかな」「やりとりになっているかな」「一方交通になっていないか」と考えましょう。
     たとえば、「どういう意味ですか」「たとえて言ってくれないかな」と相手に話させるようにして、相手に25分自分は5分くらい喋る程度でいいと思います。
  3. 相手の語る細かい事柄を充分に重んじる。
     何を言いたいのか良くわからない時に、「で、何が言いたいの」とかついつい言葉をさえぎりイラついてしまう場合があります。これでは失格です。
    ○細かい事柄に重要な意味が隠されている
    ○“秘密”は決して一口で話せないもの
    ○心の病気の本体は“秘密”にある
    ○“秘密”とは他人にわかってもらえない自分だけの世界
     「あなたはそう考えるのね。」「あなたはそう感じるのね」という言葉を使いましょう。
  4. 相手を人間として無条件に許容する。
    ○何を言っても責めたり、道徳的に批判しない
    ○相手のすべてに賛成することではない
    「あなたは、そう感じるのですね」「わかりました」
    「あなたは、そう考えるのですね」
     たとえば「学校に火をつけたい」という子供に対して「火をつけたいぐらい嫌な気持ちなんだね」という言い方をすべきです。「そんなことは、非行少年がやることです」と言ってはいけません。
    ○ありのままを受け入れる
    ○“待つ”事が大事
     「べき主義」とは「こうあるべき」とか「――すべき」と言う言葉を多用する考え方ですがこれではカウンセラーにはなれません。
    ○安心して言えるようになると心の病気は治る
  5. カウンセラーはできるだけ自分の発言を少なくする
    ○自らの発言はごく必要なことに限る
    ○わかったときだけ 「あなたのきもち、わかります」と言う。
    ○答を求められる時は、自分の意見を長々と述べない。
    ○カウンセラーの知識は決してそのまま相手のものにならない。
     たとえば、子供が母親の悪口を言っている時「ママってうるさいよね」と同意すると子供は喜びます。
     「カウンセラーの態度も大切です」


Column No.06 


言葉より雰囲気を大事に

「やさしい眼差し」「やわらかい目つき」、目を見て「あなたは大事な人間よ」「つらいだろうな」と言う気持ちを持つ。

  1. カウンセラー:おしつけがましくない暖かさ(関心)
  2. 相手:自分のことがわかるように助けてくれる。うんと話させると相手が自分のことをわかる
  3. 相手:カウンセラーを信用して話すことができる
  4. 言葉は人を傷つける方が多い。言葉以外のコミュニケーションを使う。

 態度は言葉と同じくらい またはそれ以上の意味がある。
 眼差し(目つき) 声の調子 うなずき 体の動き、「言葉は致死量になる」と言う言葉もあります。
 「早く 早く 早く」→「愚図でのろま」ということになる。
 「わかった わかった わかった」→「これ以上言うな」と言う意味になる。
 体は心を表す道具――体は心を隠す道具
 たとえば「いじめ」の場合は頭痛、腹痛を訴えることが多い。「言葉は嘘をつく」が「体は嘘をつかない」のです。

相手に位置を与えて一緒に歩む

 子供が「お母さん嫌い!」と言った場合は「お母さんの○○のところが嫌いなのね」という。
 「誰が月謝出してやってるのか」とか「両親に感謝しなさい」と感情のままに怒っても何もなりません。
 「でもお母さんはあなたのことを好きと言っていたよ」と言ってみたらどうでしょう。
 「学校へ行きたくない」と言った場合は「行きたくない、そんな気持ちなんだね」と言いましょう。
 「大人は仕事、子供は学校」それは義務だと考えるのは間違いです。

  1. 支える(支持する)と言う。異論を唱えない。反対しない。「一緒に考える」と言う姿勢
  2. 抱える、包む(共同作業)→相手に位置を与えて包み込む(holding)。言い分に地位を与えて包む
  3. 寄り添う
  4. ともに歩む(共有している雰囲気)→不幸に参加する
人間関係ができたら「でどういうふうにしたい。」とか「こうしたらどう」と言ってみます。


Column No.07


流れ = 悩む → 葛藤 → 育成

相手の訴え,悩みをふくらます。解決法を示すのではなく悩みに焦点を合わせる。

「私はもう駄目です。もう治らないと思います。」
 →「ダメ、治らない、そう。それはどんな点なの?」と相手の気持ちを受け入れるため、最後の言葉を繰り返す
 「どんな点がそんな風に思えるの?」How
 [いつから、そんな風に思うようになったの?]When
 「今日、初めてそう思ったの?」
  悩みをうーんと広げて、話させる。
「イライラすると、どうしても食べてしまうのです。」
 → 「止めようと、いろいろ工夫したけど、うまくいかなかったの?」
 うーんと話させ、相手の問題を詳しく聞いてあげる。
 心の葛藤の中に置いておく。葛藤を避けようとすると症状が出る。ノイローゼ・パニック・高所恐怖。
 「今まで、どんな工夫をしたの?」
 「あなたは、どうなったらいいの?」
 「食べて、そしてどうなっていくの?」
 解決しなくても「気が楽になった」「すっきりした」という気持ちになったらOK。
「べき、べき、べき、」という親に対しては、「子供の気持ちを聞いてみよう」という姿勢が出てくればしめたものです。

何か相談を受けたとき

a.答を求められたり質問されたときは、なぜすぐ答えられないか、丁寧に返事をしてあげましょう。
○問題解決ではなく気分(気持ち)に焦点を合わせ、うーんとしゃべらせる。
○「どうしたらいいかわからない」という気持ちに焦点を合わせる。
○情報輸入する。 ○うーんと話させると気持ちが出てきて、その気持ちに合わせる。
「私、あの人と結婚したほうがいいでしょうか?」
 →「その方のことをよく知らないので、お答えできません。どういう人か、もう少し話してくださいませんか?」

b.“悩み”を「葛藤」として、一緒に考えていくと悩み(苦悩)の中に問題解決の鍵がある。
 うーんと話させてみると心の葛藤に行きつく。
 上記の例でみると、「結婚したい気持ち」 対 「結婚に疑問を持つ気持ち」
 →両方とも大事な気持ちですから、どちらも切り捨てないで充分に話して共存させましょう。(すぐに二者択一しない)
 「結婚した場合、どうなると思うか」
 「結婚しない場合、どうなると思うか」
  ○うーんと話すと(+)(-)が出てよい方向へ向くことが多い。 
・感じ取りのパターン、対処法のパターン、関係のパターンが見えてくるまでゆっくり話し合う。(妥協的解決策を模索する) 

人生は葛藤(苦悩)の連続 葛藤を(+)に考える。人の幸福を喜べるか?
C.葛藤を維持する……すぐに答を出さない
           悩みを正当なものとして悩ませてあげる。
           葛藤を支えてあげる

その他の技法

a.「なぜ?」(Why)よりも「どういう風に?」(How)時間の流れに沿って聞く

昨日、頭が痛かったのです。
  頭を打ったの?(What)→それどうにかしたの?
                 それまだ続いているの?   (How)
                   病院に行ったの?

×「なぜ学校へ行かないの?」 → 「学校へ行け」という意味になる
                 「つるしあげ」になってしまう  

b.相手のの対策を尋ねる

困難な状況→そこから楽になる方法を見つけましょう
          どういう解決法をしたのですか?

c.難題を持ちかけられたら、困ってみましょう

「自分で決めなさい」は二重拘束
 →「困ったな」「わかんないな」「自信がないな」「あーん、うーん」
☆ 「自分で決めなさい」と「命令」するのは、おかしい。
☆ 「ママの言うとおりにしなさい。」という意味
☆ すでに命令している
×「ママの言うとおり 独立しなさい。」 魔女の呪い禁止令
×「ママの言うとおり 自分のことは自分でしなさい」 
  にっちもさっちも行かない状態 
☆ 他律的で自律的ではない

d.一番最後の言葉を大事にしましょう

最近の子供の問題にカウンセリングなどは役に立たない
 →       役に立たない?
 →       そう言う疑問はいつからあなたの中に生まれたの?
☆安心感がもてない関係ではカウンセリングは無理
☆相手のペースに沿ってじっくり聞いてわかってあげる
☆十分に人間関係ができてから 揺さぶりをかける
     (  ○○したらどうかな  それはどうかな)


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