Transactional Analysis(交流分析)

Column 03

人間の尊厳について

杉田先生の講座ノートより ~病・死と闘う人々との心理から~
 2006/06/22~

No.01 本来の自分を生きる  No.02 7つのタイプ  No.03 病気をどのように受け止めたら良いのか?  No.04 病気をどう受け止めれば良いか?  No.05 ストレスと女性心理  No.06 チェックリスト  No.07 神経性大食症について  No.08 人を許せない時  No.09 不安とうつを克服する方法  No.10 抑うつ」予防する

Column No.01 


本来の自分を生きる

 人生の終結は「死」です。逃れることはできません。
 その死と病と戦う人々の心理状態について考えてみたいと思います。

 人は、どうして病わなければいけないのか?
 「こう生きたい」という気持ちと違う生き方をしなければいけないのか?

 人生の究極の意味は、「本来の自分を生きること」です。

≪自分らしく生きるとか、本来の自分といわれても、自分とは何かがよくわからないので、人生の意味もよくわかりませんね。そのテーマを問い続けることが、人生なのかもしれませんtが・・・。≫

病気にはどんな意味があるでしょうか?

 (交流分析を日本に紹介し九州大学に心療内科を創設された)池見先生は、以下のように主張されました。

「人間としての心の健康は、身体的、心理的、社会的な条件だけで成り立つものではなく、自分という存在は自然の中に在り、生と死の意味への気づきをふまえた時に実現するものである」

 人は、「一生懸命に生きている」「大きな力、自然の力に生かされている」この2つが調和した時、真の健康を得ることができるのです。

 池見先生の研究によると、病院でガンと診断され,余命数ヶ月あるいは1年などを宣告された人の中に、病を持ち続けたまま、5年、10年と生きている例、あるいは、ガンが自然退縮してしまった例が約100例ほど見られまたそうです。
 自然治癒してしまった例です。
 そういう人達に、共通する考え方

「自然に任せていこう」
「自分のことだけでなく、他の人のために生きよう」


 第二次世界大戦時、ナチスドイツのアウシェヴィッツ強制収容所に収容されていた精神科医フランクルは、「今を生きることの意味」をちゃんと見出している人でした。
 彼は、すべてを自然の力(法則)に任せようという心境になり、実存療法(ロゴ・セラピー)を開発しました。
 自分も何時殺されるかわからないのに、人の面倒を見て、食事や衣類を分け与える事などをしていました。
 どうしてそんなに立派に生きていけるのでしょうか。
 どうして健康な精神を維持していけるのでしょうか。

 それは「人生の意味」をしっかりわかっていたからです。

 自己中心的な生き方(自我)を乗り越えて(超越)愛する者の為に生きるのが真の生き方です。
 自己中心主義を乗り越えて、そこから抜け出して、困った人、病んでいる人、恵まれない人、障害を持つ人など誰かの為に生きようとしている人がいます。
 エゴイズムから解放された生き方ができれば素晴らしいことですね。

 人生には、なぜ、病や事故などによる苦痛があるのでしょうか?
 それを、どう受け止めたらいいのでしょうか?

 それには、必ず、「意味」があります。


Column No.02 


ストレスの受け止め方、7つのタイプ

ストレスを受けると、自分の今までの生き方が現れます。

1)不安型
 「もうだめだ」と、必要以上に不安になり、マイナスだけを考える

2)攻撃型
 「悔しい」、やけを起こして欲求不満になり、当り散らす

3)諦め型
 「もう治らない」落ち込んで、逃げて引きこもってしまう。うつ状態になる

4)防衛型
 「まさか私が」、認めると不安になるので「ガンじゃない」と否認する

5)自虐型
 「自分に非がある」「不摂生をしたから」「私が悪い」「「私の生き方が悪い」「天罰だ」「もう少し健康管理をしていたらよかったのに」と考え、うつになる

6)とらわれ型
 投薬や処置に細かくこだわる

7)依存型
 赤ちゃんがえりをして、周囲の人(夫や妻)にべったりと付きまとう。見捨てられ不安が強い

 ストレスの受け止め方に先に述べた、【 認知のゆがみ →ta04.html参照 】があると、ストレスが倍加します。
 例えば、子供が不登校になった場合を考えてみましょう。
「私の育て方が悪かった」「この子の一生はもう終わりだ」と考えるか、
「人生回り道をすることもあるさ」「暖かい目でみよう」と考えるか。
 「大変だ」と考えると、ストレスは大きくなり、「落ち着いて対処しよう」と考えると、ストレスは小さくなります。

 つまり、ストレスの受け止め方によって、ストレスは大きくもなり、小さくもなるといえます。必要以上に自分をマイナスに見たり、1-0思考(黒白思考)をやめて、歪んだ受け止め方を直していきましょう。



Column No.03 


病気をどのように受け止めたら良いのか?

①病気には必ずプラスの価値がある。自然は無駄なことをしない。

②人間は自分の健康を守るための自己調節作用(ホメオスタシス)を持っている。

・人間は、環境との関連で自分のバランスを維持するために必要だと思っていることを行っている。
 例えば、「家庭を顧みず仕事ばかりしているのは、不自然だから、今この人には病気が必要だ。この人を病気にならせよう」。といった具合です。

③病気(ノイローゼ、心身症)は、生活の中では、明らかに確実な価値がある

だから、病気の意味に気づき、体を大切にしましょう。

④病気は、痛みと同様、生体の警告システムである 

 ・生体が生き続けるために、何らかの変化を起こせ、というメッセージ
 ・「今の生き方は危ないですよ」という警告

 症状をよく探索し、それがどんな意味を持っているのか「自分の心の中」と接触し、「何のために生きるのか」人生の意味を考えましょう。
≪不登校児について考えてみると、「おなかが痛い、頭が痛い」などの身体的症状には、大部分は「今、私はストレスの下にあります」「私はそれを処理しかねています」という心理的意味があります。
 それは、「いじめにあっている」が、行かれない体を作ると、いじめを避けることができるからです。
「おなかが痛い」といわなくても、症状という形で注目をひきつけなくても、言葉によって、助けを求める、悩みを体で出さなくても、「僕、いじめられているんだ」と、自分の気持ちをちゃんと言って、助けを求めることができれば、とても楽になりますよね。≫


Column No.04 


実際、私たちは病気をどう受け止めれば良いか?

①信頼の置ける医師の指示に従う

②心身のバランスを整える

・不安、恐怖、怒り、憂うつなどの感情の氾濫を鎮める
・腹式呼吸(細くて長い息を吐く、つまり深呼吸をすると、頭の考えがおなかのほうに移っていき、感情を落ち着かせることができる)
・自律訓練法

③マイナス思考を止める
  「この苦難は無限に続くに違いない」
  「自分は無価値な人間だ」
  「もう、すべて絶望的だ」

 この3つは典型的な認知の歪みで、うつになったときの症状です。
 このようなマイナス思考を止めて、
「私もほめられたこともある」
「学校をちゃんと卒業した」
「子供を生んで育てた」
「無価値な人間ではない」と、自分のプラスを考えるようにしましょう。


 人は「最後には必ず死ぬ」のだから、「死ぬ」ことからスタートする。
 人生は、永遠に続くのではなく、始めがあって終わりがある。

 この「死の教育」が欧米ではなされてきました。「死」を見つめて、生きる意味を探りましょう。
 日本でも「死」の教育が必要です。

 「死」を考えないことは、死に対する強い恐れや不安を持つことになります。
 「病」は、人間存在の根底は死である事実を直視する必要を教えているのです。

 「病」は、人間が苦しむ能力を備えていることにも気づかせてくれます。病を前向きに受け止めましょう。
 そんなことを考えていたら、一流の大学に入っても入らなくてもいい。
 それよりいい親子関係を作ること、暖かい人間関係を作るほうがどんなにすばらしいか。よく考えて見ましょう。
 専門的に「死の研究」をしたキューブラー・ロス氏は、
死んでも人生終わりではない。1つの人生が終わったら、次の人生が待っているという考え方をし、「死の現実を受容して、死の準備をしよう」と説いています。

 12,3歳で病気で死にいく子供に「違った私になって生きるのよ」と伝えると、安定した死を迎えることができるようになったそうです。


Column No.05 

≪杉田先生の講座ノートより ~「人間の尊厳について」の講座の一年ほど前の講座でした。~ 2005/05/26≫

ストレスと女性心理について

 最近の新聞記事によると、次のような問題が増加している、

・ 女性の3人に1人が夫からの暴力を受けている
・ 普通の母親が、育児ストレスで、やり場がなく、キレる
・ 男性と同じくらい働かされる頑張り屋のワーキング・ウーマンが、ストレスにより抵抗力が衰え、免疫機能低下に陥っている
・ 女性に広がる賭け事依存症、心の空虚感を物で満たそうとする買い物依存症
・ 母親との関係に問題がある娘が身体を虐待し、「食べて吐く」を繰り返す摂食障害など

A.嗜癖(しへき)

 ある習慣への病的な執着で、それなしにはいられない、そうしないではいられない困った執着、習慣で、それに依存し、抜け出せない状態をいう。
例えば、アルコール依存症、賭け事、何回も何回もサラ金に手を出す、薬物依存などがある。
 これは、交流分析によるCの領域で、小さい頃の心がまだ未解決、甘えたくても甘えられなかった人がこの嗜癖にのめり込みやすい。
 その種類は、
①物質嗜癖(物質を体内に取り入れる)―アルコール、カフェイン、薬物、シンナー、食物
②過程嗜癖(行為やプロセスへの執着)―ギャンブル、仕事中毒、仕事の鬼、買い物症候群、放火、窃盗
③人間関係嗜癖―共依存、恋愛嗜癖、虐待、ストーカー がある。

 噛み付く人、しがみつく人、気が済むまでこだわる人、気にしすぎる人、手放さない人は、甘えの足りない人で、子供の時、十分甘えてない。

 十分甘えた人は、物を集めたりしない。
 甘えの強い人は、恨みも強い。
 なかなか昔の物を捨てられないのは、強迫心理で、こだわってとらわれていく傾向がある。
 ストーカーは、人間関係嗜癖で、赤ちゃんの後追い行動の大人版といえる、相手につきまとい、精神的にしがみついて離さない。

 共依存は、母子一体、DVなど、2人で1人という感じで離れきれない。
 夫に殴られても、夫なしでは生きていけない依存性格。
 苦しくても帰るところはなく、私が耐えればよい、主体性のない依存的性格、じっと耐えて苦痛に甘んじるタイプに多い。
 恋愛嗜癖は次から次へと相手を変えていく。

B.買い物依存症候群

 ダイアナ妃、ケネディ大統領夫人のジャッキー・ケネディ、マルコス大統領夫人のイメルダ・マルコス、リンカーン大統領夫人のメリー・リンカーンなど、四人の有名な女性が、買い物症候群と言われる。

 では、どういう人が買い物症候群に走るのか、その共通点について考えてみよう。
 それは、親の離婚や死により、甘えたくても甘えられなかった。
 感情が抑圧され、いつもニコニコして人のために尽くす外の顔を持っている。
 完璧主義や「きちんとしなければならぬ」という几帳面さ。きれいな服への憧れが強い。

 買い物好きと言っても、買い物が好きでたまらない、買い物を楽しむ人は、健康であり、ストレスのある時、物を買って、気晴らしをしたり、買い物をした後は気分がよくなる人は、少し問題があるタイプだが、嗜癖ではなく、誰でもやることである。

 問題なのは、病的なタイプで、楽しまない、買ったものの封を切らず、置いておくだけで、決まって嫌な気持(罪悪感)を味わう。
 表面はふつうの行動に見えるが、裏に意味がある。
 母親に大事にされたい、やさしくして欲しいなどストロークを求めている。
 やめられない、繰り返す、終わりに不愉快な気持ちになる、自分を責めるなど、いわゆるゲームである。

 買い物依存症のタイプは、強迫観念、強迫行為(現実からの逃避、不安の解消)にとらわれています。
 金遣いが荒い為、借金を繰り返します。
 自尊心が強いので買う商品よりも買うプロセスが大事であって、ねぎって安く買います。
 そして買ったものは使わない。
 後悔、反省、自己非難、罪悪感、憂うつなどを伴います。
 これはゲームだから、早く気づいてやめましょう。

 こういう人にとっては「傾聴」が最高のストロークです。

最近の研究によると、摂食障害との合併が多い。
他の買い物好きに比べ、ACが高く、手のかからない、いわゆる“いい子”で、依頼心が強く、本当の自分がない、誰かなしでは生きて行けない、指示待ち人間です。

 豊かな友人関係のなかで、失敗しながら学ばないので、ひきこもりや対人恐怖症になります。人間関係が作れない大学生が増加している状況も問題です。

 摂食障害(過食、拒食)は、女性に多い食行動異常で、極端にやせすぎているのに、頑張って仕事したり、学校へ行ったりします。

 満腹と空腹の区別がつかなくなって、満腹なのに食べ続けます。
 過食―嘔吐―過食―嘔吐を繰り返し、自分でコントロールができません、
 自分の体をいじめ、直るための治療、援助を頑固に拒み、強引に食べさせると、リストカットをして、怒りを自分の体に向けています。
 発展途上国にはほとんど見られない病気といわれています。
 思春期に「痩せは美しい」と考え、食べなくなることはありますが、正常な人は、空腹に耐えきれずやめていきます。


Column No.06 


チェックリスト

次の⑩の項目をチェックして、全部当てはまった場合、カウンセリングではなく、早く専門医(心療内科)に相談しましょう。

  • ①標準体重の20%以上のやせ
  • ②ある時期より始まり3ヶ月以上続く
  • ③30歳以下で発症
  • ④女性
  • ⑤無月経
    ≪女性性(母性性)を拒否しているのではないか、性別のアイデンティティが混乱してしまっているのではないか、と言う説がある≫
  • ⑥食行動異常(不食、多食、隠れ食い)
    ≪満腹感と空腹感がわからなくなって、混乱してしまっている≫
  • ⑦体重に対する歪んだ態度(やせ願望)
    ≪ガリガリにやせていても、やせてる感覚が持てない、典型的なアレキシサイミア(失体感症)≫
  • ⑧活動性の亢進(気持ちや病勢などが高ぶり進むこと)
    ≪どんなにやせていても、寝ていないで動く≫
  • ⑨病識に乏しい
  • ⑩器質的疾患、精神病を除く

Column No.07 


神経性大食症について

  • ①むちゃ食いの繰り返し(最近3ヶ月に週2回)
  • ②自分でコントロールできない食べ方(夜間摂食、気晴らし食い)
  • ③過食後、何らかの方法で体重増加を防ごうとする
      例えば、嘔吐、下痢、利尿剤、絶食、激しい運動など
  • ④体重、体形に過剰に関心を持つ
  • ⑤悔恨、抑うつ感(治療意欲あり)

次のような特徴がある

 摂食障害の人は、家庭的に見ると、母親が過保護、過干渉、支配的で、細かいところに、先回りして子供の主体性を殺している。
 父親は、家庭のことに無関心で、本人は、イイ子だが、理解されていないと感じている。十分な自己評価、自己主張、自分で問題解決する手段が身についていない。  言われるままにやってきて、相手の期待に添うように生きてきた。
 もまれてないので、ストレスになった時、どうしていいのかわからない。
 依存的で、甘えが満たされていない。
 思春期に節食して、「やせてきれいになったね」と周囲の賞賛を浴び、「やせるとこんなに評価してもらえるのか、これでずっと評価を得たい」と始めての達成感、優越感を得る。
 空腹感と満腹感がわからなくなってしまい、肥満恐怖から発症する。
 「自分がガリガリにやせていても、やせていると思わず、また、太っていても気にならない」などボディ・イメージの障害、1日中食事や体型にとらわれる。
 幼い頃、両親によるテーブルマナー、箸の上げ下ろしなど厳しく注意され、楽しくない食卓で、雰囲気が嫌なものが多い。

表面に出てきた行動の本質は、愛情確認である。


Column No.08 

2005/06/23


人を許せない時、人はどうして不安になるのか?

 自己確立ができていないから、不安になる。
 心の葛藤があるため、不安が続く。
 心の中に、自分も気づかない戦いがある。
 根源的に、親との関係「愛されてない」という強い気持ちがあると悩む。

 両親を殺害して家を爆発させた15歳の少年は「親を許せない」と犯行に及びました。  憎しみの心理について、小此木啓吾先生は、次のようにのべられた。
 認めにくいが、その源は“親”であり、自分自身が幼いときから、激しい怒りや憎しみを向けられて育った時、子供は親から、「お前なんかいない方がいい」というメッセージを受け取る。≪これが禁止令です≫
 平気で、親は子供の自尊心を傷つけてしまうのです。
 親は「しっかりさせてやろう」という気持なのに、子供はそうは受け取らないのです。

 思春期は自尊心がとても傷つきます。

 「お前はダメな人間だ」「俺より頭が悪いんだ」と親が子供に言うのですが、親は「こいつは情けないやつ」「俺の期待に添って欲しい」という気持ちなのでしょう。
 子供も、親の憎しみを正当な罰だと思って育った時、子供自身、自分をダメ人間だと思い、自分を傷つけたり、犯罪に至ることになる。
 必要以上に罪の意識で自分を責める人々は、本人は気づいていないが、自分が破滅するような形に持っていく。
 それは、強い罪悪感(無意識的罪悪感)があるからだ。

では、憎しみを超えるためには、どうしたらいいだろうか?

①自分自身の心の憎しみに気づく
②ナルシシズム(自己愛)に気づく

人は、他の人を愛する以前に自分を愛したいと思い、常に相手と自分を比較し、心の幸せについても、比べます。
 憎しみの源の1つは嫉妬心です。どうしても嫉妬心がつきまとい、いつも比べて、自分より優れた人が憎らしくなります。
 土居健郎氏によると、嫉妬心は世の中からなくならない、生きている限りつきまとうもので、嫉みを上手にコントロールすることが必要です。自分自身に対する愛が満ち溢れていることが大切です。

③自分が何者かによって愛されている確信を持ち、その世界の中で心を休ませる

トランスパーソナル心理学を学んでみては如何ですか

超個心理学といわれ、自分中心から離れて、自分を超えて、他の人の幸福を中心に生きられれば、自分も幸福になるという考え方。
相手を自分のためではなく、相手のために愛すると、心も体も健康になるといわれる。
難しいことだが、自分が何者かに愛されると、嫉妬心はなくなるのではないか。

Selfは、自分の体も心も考えも全部含んだ全体をいう。
宇宙の法則に沿って生きていく生き方。
人は、皆心の中にSelfを持っている。
何か大きな力に守られている。

 宇宙の自然の調和とか愛に反抗しているから、病気になるのではないか。
 宇宙の摂理と調和するように考えていくと、健康になるのではないか。
 世の中を支配している法則は、“愛”つまり、相手のために愛すること。
 個のSelfからのメッセージを掴み取ると、心の平静さ、感謝、愛、善意が表れる。

Column No.09 

2005/04/21


不安とうつを克服する方法

 ものの受け止め方(認知)で、私たちの行動は大きく左右されます。気づいて、セルフコントロールしましょう。

A.不安障害者の認知について

 不安障害者とは、「何か落ち着きがなくて、悪い面ばかり考え、大変なことが起きるのではないか」と考えることが習慣的になっている者をいいます。

① 問題状況に対する判断が誤っている、または極端である。
 具体的には、「大変なことが起こる」「皆から嫌われている」「将来大変なことが起こる」「子供がいつ事故を起こすかもしれない」「リストラになったらどうしよう」などと考えてしまう。

②脅威をもたらす条件が何もない状況で不安になる。これは、自分でこしらえてる部分が多い。

③対処法は適切でありえない。「何をやってもダメだ」

④ 「悪い考え方」をする構えは、警戒的状態では、硬直、釘づけ、心拍・血圧上昇が見られ、絶望の状態では、前かがみ、倒れる、心拍・血圧低下がみられる。

 マイナス思考が、自分を洗脳してしまう。
 人は、「今、ここ」という時点で生きているのに、先のまだ起きてないことを予想して、「もし起きたらどうしたらいいか」と考えて、「今、ここ」から離れてしまっている状態です。

 “不安”になったら、「今、ここ」に戻ることが大切です。

 子供が学校へ行かない場合、「人は回り道をするものだ、母は耐えられるから」と落ち着いて、じっくりと耐えている姿を見せることが大切です。
 「自信がない、不安」と子供から訴えられたら、「そういうこともあるよ」と、親が子供に安心感を与えることが大切です。

 「人は最終的にこの世から去る」という現実は、人を「不安」にさせます。
 このことを「根源的不安」といいます。欧米では、“死の教育”が徹底していて、「人は必ず死ぬ」そこから「生」を考えるのですが・・・。
 「不安」は、正常者も不安障害者(ノイローゼ)も感じるが、「受け止め方」が違がいます。
 不安障害者は、“危険”の知覚の仕方(ものの受け止め方)が不正確であり、過剰です。
 例えば、子供が不登校になった場合、正常者は、「立派な人にも不登校を経験した人はいる」「子供は回り道をするものだ」と、危害を受ける可能性を正確に吟味して評価します。
 それに対して、不安障害者は、「学校へ行かないと、子のこの将来は、もう駄目」と考えます。
 正常者は、誤って危険と判断した場合は、直ちに修正するのに対し、不安障害者は、電光石火のようにマイナス思考が起こり、「もう人生終わりだ」と最悪の結果にとりつかれます。
 「現実」に関しても、正常者は、「人は間違いをするものだ」「人は回り道をするものだ」「世の中、自分の思い通りにはいかない」など、じっくり現実を見て、時間をかけて情報を集め、トータルに全体を見て判断すしますが、不安障害者は、「今すぐしないと大変だ」「今、安心しないと大変だ」と、じっくり現実吟味をしません。

 病的な不安の人は、たえず興奮状態にあるので,うまく対処できないのです。
 人前で話す時、あがってしまう人は、「失敗するかもしれない」「私は聴衆から拒絶され、惨めな事態に至る」と「危険へのとらわれ」があり、心のエネルギーが、そこに、どさっと配給されてしまって、悪い方ばかり考えてしまいます。
 「まだ、起きてない」のに、「今、ここ」から離れてしまっています。
 スピーチの内容、計画、記憶などは凍結してしまい、頭が真っ白になるパニック状態に陥る。

 そういう時は、頭が真っ白で、手がしびれている状態をじっくり味わうようにするとよい。>今の状態をじっくり味わうとよいのです。

もし、夜眠れなかったら、無理に眠ろうとしないで、横になって静かにしていれば、眠ったと同じことです。身体的に休息になることを知っておいてください。
 実は、池見先生自身も対人恐怖症で、森田先生のところへ相談にいき、「自己受容(あるがままの自分を認めて、受け入れる)をすればいい」と教えてもらったそうです。

B.うつ病の人の認知について

体の症状 ・睡眠障害
(寝つきが悪い、途中で目がさめる、よく眠れない、朝起きられない)
・疲労感  ・痛み(腹、頭が痛い)  ・消化器症状 (下痢、便秘)
心の症状 自分自身に対する否定的な見方
・自分に欠陥がある
・自分は満足を得るのに不可欠な資質に欠けている
・自分は無価値で絶望的
心の症状 自分の体験を否定的に評価する
・人生の目標には、自分の能力で克服しがたい障害が多い(たくさんよい事をしてきたのに、本人は、「あんなのはたいしたことない」「まぐれ」「運がよかっただけ」などと、「私なんか、何もできない」とマイナスの否定的な見方をする。
・世界は自分に法外な要求をしている。
・自分に幸福や満足をもたらす源は何一つない(誰からも嫌われ、大事にされてない)
・あらかじめ形成した否定的結論に合うように事実を仕立て直している(「何をやってもダメ」「生まれてこなければよかった」と悪い方にばかり考える)
心の症状 将来を否定的に見る
・そんなことは、絶対ないのに、現在の困難や苦しみが無限に続くだろうと思い込み、悪い方へ悪い方へと考える。
・人生は絶え間のない苦難、欲求不満、剥奪に満ちたところ
・「成功したら」という考えをしないで、「失敗する」と予測する

TColumn No.10


抑うつを予防する為に自己分析をしよう

 小さい頃の命令が、あまりに強かったので、硬い柔軟性のない、現実に合わない、建設的でない、まずい考え方にとらわれて、悪い方へ悪い方へと心を促します。

 「成功してはいけない」「存在してはいけない」「幸福になってはいけない」「人生を楽しんではいけない」「どんなに寒くても、タクシーに乗らない」「海外旅行などに行かず、貯金しなければいけない」などの禁止令を受けています。
 うつ病の人は、「完全でないと人から愛してもらえない」「自分の価値はその人の成し遂げたことで決まる」「自分には力がない」「常に成功していなければ無に等しい」「人から愛されなければ、生きている価値がない」などの考え方をします。

 うつになる人は、物事が「うまく行く」と生き生きとするが、「うまく行かない」と「私はダメだ」と考えます。
 価値判断の基準が生産性にある為、多くの場合、「私はだめ人間だ」という考えに入ってしまうと、うつ状態が起きるのです。
財産、地位、成功した、成功しないなどが重要で、他者との比較をします。
 「私は生きていていい」「私にもよい面はある」など自己肯定ができないと、「自分に価値を置けない」ので、失敗した時に、うつになります。

うつ病の対処法について

・自然の悲しみと歪んだ考えを伴う感情を区別する。

・出生から今日までの自分の「価値」をグラフにすると、年齢に関係なく、価値は変わらない。人の価値は、「業績や行動で決まらない、ありのままの自分が大事だ」とわかる。

・できないことより、できることをすべてリストアップする。

・二重の標準(他人に寛容、自分に厳しい)を崩す。

・達成したことをリストアップする。
・日頃から、物事の多くの側面に関心を持ち続ける。

 うつになりにくい人は、「存在しているだけで、私は、大事な人間だ」=「I‘m  OK.」の考え方を持っています。
 これは、「存在の領域」、つまり、「自己受容ができていて、自分をありのまま受け入れている」「自己肯定できる」人です。

 フランクル氏は、アウシュビッツ収容所の極限の絶望の状態の中で、苦しみには、何らかの意味があるという考え方をしていました。

 人生から期待することを求めると、必ず行き詰まる。
 人生に対し、何かを戴くという姿勢を改めて「人生に何かすることができる」という考えに切り替えましょう。


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