No.1 コミュニケーションを阻害する禁止令 

 親にとっては「しつけ」のつもりでも、子供にとっては“呪いのようなメッセージ”になってしまうのです。

 たとえば、「ろくでなし」「役立たず」「生まれてこなければよかったのに」などは本当にひどい言葉ですが、「男の子だったらよかったのに」「橋の下から拾ってきた」とか「どうしてお兄ちゃんみたいにできないの」「本当にだめな子ね」「あーいやだ、いやだ」とつい言ってしまうことがあります。
 これが、子供の人格形成に大きな影響を与えます。言葉だけではなく、目つき、ジェスチャーなども子供の心に直接影響を与えます。親のごまかしも見抜いてしまいます。これが「禁止令」です。

禁止令とは

a.指図、指示、命令です
b.親や養育者があなたの健康、能力、自由、楽しみなどの感じに対して、それを妨害するような指図をしたものです
c.一生を通じて悩みや問題の原因になる可能性を持つものです

種類
1 存在するな
2 成長するな
3 成功するな
4 重要であるな
5 自然に感情を感じるな
6 健康であるな・正気であるな
7 仲間になるな
8 実行するな
9 子どもであるな
10 近づくな、愛するな、信用するな
11 おまえ(男、女)であるな
12 考えるな

 親にとっては「しつけ」のつもりでも、子供にとっては“呪いのようなメッセージ”になってしまうのです。
 たとえば、「ろくでなし」「役立たず」「生まれてこなければよかったのに」などは本当にひどい言葉ですが、「男の子だったらよかったのに」「橋の下から拾ってきた」とか「どうしてお兄ちゃんみたいにできないの」「本当にだめな子ね」「あーいやだ、いやだ」とつい言ってしまうことがあります。
 これが、子供の人格形成に大きな影響を与えます。言葉だけではなく、目つき、ジェスチャーなども子供の心に直接影響を与えます。親のごまかしも見抜いてしまいます。これが「禁止令」です。

 たとえば、口ぐせのように次のような言葉をいう人はいませんか。
・「何をやっても楽しめない」
・「仕事をしていないと罪悪感を感じる」
・「もう少し子供にやさしくしたいのに、干渉しすぎ、言わなくてもいい事を言ってしまう」
・普段、何気なく過ごしていても、「あの時のあの言葉を急に思い出す。忘れられない」
・今までふざけあっていたのに「突然顔色が変わり、怒り出す」
・「自分の意思ではどうしようもなく感情的になってしまうことがある」

これが「禁止令」の怖さです。


①対人関係についての禁止令 

 人と親密になることに対する恐怖心です。たとえば、対人恐怖・仲間入りできない・引きこもりなどは、この禁止令のためです。

「私に近づいてはならない(親しくしてはならない)」

 親とスキンシップの経験がありません。身体的接触を拒まれたことがあります。心の触れ合いを欠く親子関係を感じています。親の感情が一貫していない時があり、親とどう接していいか子供は戸惑ってしまいます。
親に捨てられる体験をした。離婚・父母の絶え間ない争いを目にしている。
こんな禁止令を受けた子供は、「人と親密になってはいけない。」という禁止令を受けています。この禁止令が、次のような行為、考え方、感情になります。
・「今日のご機嫌はどうかな」と探る、親の顔色をみるくせがつく。
・触る、触れられることへの恐怖心がある。
・家族や友人との感情的交流の欠如。つき合いが悪い。
・愛情交換の困難な人。異性が嫌い。
・深い関係に入ることを回避する。
・人間から離れ、静かに内にこもるタイプで、非社交的。

「みんなの仲間入りをしてはならない」

 親が「この子はうちの子でなければよいのに」と内心で拒否している時があります。
 自分自身が親戚・兄弟・グループとうまく交際できない親の場合が多いのですが、教師、友人に嫌われている自分の子供を見たとき。「いじめ」を受けた自分の子供に対して、子供がかわいそうだと思うのではなく、親が内心で拒否している場合があります。「自分と似ているため」そんな自分が嫌いだからでしょうか。こんな禁止令を受けた子供は、「仲間と親密になってはいけない。」という禁止令を受けています。この禁止令が、次のような行為、考え方、感情になります。
・もらい子空想、「あなたは橋の下で拾ってきた子供なのよ」と親に言われた。
・「よそ者」意識、親戚のおじさんおばさんとのつき合いもなく、ふるさとがない。
・話し合いに加わらない、宴会が嫌いだ。

 孤立する傾向があり、静かで孤独を愛するタイプですからと言い訳を言う。
 気づけば、性格は変えられないかもしれませんが、行動は変えることができます。「もっと人生を楽しんでいいのに・・・。」と考えてみませんか。日記などに辛い気持ちを書くことで、楽になります。


②存在そのものに対する禁止令 

 子供に対し、親が「おまえなんか死んじまえ」と言うことがあります。ちょっとしたしつけのつもりかもしれませんが、子供にとっては、自分の存在を否定された、親が自分のことを死ねばいいと思っていると感じます。その時の子供の心には、物凄い呪いの言葉になります。最大級の禁止令です。

 手がかりとしては、次のような行為です。
・自殺の試み、自傷・他傷行為、他人を傷つける空想
・酒・薬物の乱用
・両親の虐待・拒絶
・幼児期の兄弟の死

 また、希望したのと反対の性別の子のときの「おまえが女の子だったらよかったのに」の言葉も同じです。
・自分は兄(妹)より劣っている
・異性の洋服を着る
・異性の行動を好む
・名前が異性の意味を持つ

 他の子がいつも大事にされていると感じている自分がいます。


③個人の成長に関する禁止令 

 昔、ドラマにもなった「冬彦さん」現象(マザコン)、パラサイトシングル、モラトリアムⅡ世(年令相応に大人になっていない人、自己主張や権利意識が強く、責任をとらない、とれない)などの現象には、この禁止令が関係していると思われます。

「成長してはならない」

 背後に子離れできず、子供をいつまでも自分の支配下に置く親がいます。
・夫との関係がうまく行かず、子供が唯一の交流の源となる。
・きわめて批判的、過干渉の親

手がかりとしては、次のような事例です。
・子供じみた言動
・責任の回避
・自己コントロールができない……薬物依存、スピード狂
・ストレスの下で感情的になる……キレルという現象
・ピーターパン、ファザコン、マザコン、パラサイトシングル、結婚しない


逆に、「子供であってはならない(楽しんではならない)」と言う禁止令もあります。自分自身が子供のように振舞う親が、次のような行為をします。
・子供が親の面倒を見るべきだと言う。
・子供の自由や楽しみに嫉妬している親が、遊びを禁じます。
・自分の劣等感を補おうとして子供を利用する(芸能、習い事など)

手がかりとしては、その親が、長子、一人っ子であったり、丁寧すぎるほど儀礼的な態度で打ち解けないタイプであったり、楽しいことをきまり悪がる傾向があります。
遊んだり、ふざけている時に訳もわからず親が腹を立てたりしたことはありませんか。


④身体と心の健康に関する禁止令 

「健康であってはならない」

 挨拶代わりに身体の不調を訴える人がいます。こういう人に接すると「腹が立つ」のが普通の感情であり、「何度言わせるの」という不満が生じます。
 病気を利用する親の生き方が関係しています。自分が子供の時、病気になると親にやさしくしてもらえる。病身の子供の世話をしている親が、他人から同情を得られるなどの状況を見ますと、この禁止令が無意識に植えつけられます。
 手がかりとしては、「疾病利得、疾病逃避」の状況があります。
 ヒステリー(Hy)とは、演技性障害ですが、病気をして注目を浴びることでもあります。その背後には“不安”があります。
 不安になると「緊張する、イライラする、怒りっぽい、疑い深くなる、親しくなるのが嫌で1人になりたくなる」などの状況が現れます。

「正気であってはいけない」

「もし子供が正気だと、私がどのくらい頭がおかしいかわかってしまうのでは」と恐れている親がいます。
・精神障害の親や親戚のモデルがある場合
・頭のおかしい行動がほめられる
・おかしい行動が正されない
 などの環境が影響します。
・正常なのに現実把握に問題がある場合
・正常なのに精神障害のように扱われる人


⑤成功や課題達成に関する禁止令 

「重要な人物であってはならない」

a.親から無視されたり、馬鹿にされるとき
・「迷惑をかけるんじゃないぞ!」と口クセのように言う親
・わが子に競争心を抱いている親

 次のような状況が手がかりになります。
・リーダーシップをとるのを拒む
・欲しいものを率直に要求しない
・昇進のチャンスを活用しない
・人前で話すことが苦手


 たとえば、肝心なところで失敗し、人生の目的を果たせない場合
   投影(~のせいにする)
   自分にやましさがあると人を責めたがる
   墓穴を掘る(政治家になっても刑務所に行く)

「成功してはならない」

 親が自分の息子や娘の成功を恐れているときがあります。子供が自分を越してしまい、自分が大事にされなくなるのではないかという不安や、わが子を自分に依存させておきたい親が与える禁止令です。
 子供が完全でない限り、絶えず批判する親がいます。親が自分の中に(-)面がたくさんあるからで、自分の内面をよく見つめることが大切です。
 次のような状況が手がかりになります。
・物事を最後に台無しにする
・試験や仕事で、一生懸命努力しながら失敗する人
・自己破壊的な行為を繰り返す


 また、子供に何かひどいことが起こるに違いないと恐れている親の場合もあります。
・「あなたのすることは危なくて見ていられないわ」
・「親の言う通りにしていればいいのだ」

と言う言葉を良く使います。
 次のような状況が手がかりになります。
・計画を立てても、いつも実行しない
・自分自身で決心できない
・自分の意見に固執する
・過度の用心深さ
・自分の人生に責任が取れない(免許をとっても運転できない人)


⑥思考・感情に関する禁止令 

「考えてはいけない(心身症=感じてはいけない)」

 子供の考えを常にあなどる親が原因です。
・「くだらないことを考えるんじゃない」
・「ママには分からないわ。そう言うことはパパに聞きなさい」
・「私は料理(数学、文章、運動など)が全然ダメなの」

 こんなことをあまり言うと、子供は自分も駄目だと思う傾向になります。
 次のような状況が手がかりになります。
・問題解決にあたるとき、混乱して、考えられなくなる。
・頭が真っ白になって考えられない。
・「考えられない」のではなく、「考える」事をしない。
・~できない」とよく言う。
これは[~しない]と言う意味です。本人にある力を使うことも許可してない
「私の考えは間違っているかもしれませんから、、、、、、」が口癖である。
 考えるべき時に感情的あるいは空白状態になる。

「感じてはいけない」

 普通の感情を表せない人=アレキシサイミア(失感情言語症)
 普通の感情表現、あるいは特定の感情や興奮が禁じられている家庭で起こります。
・「男の子は泣くんじゃない」
・「女の子がそんなに怒るものではありません」


次のような状況が手がかりになります。
・アレキシサイミア(失感情言語症)=感情を言葉に表すことが不得意
・「父も母も決して怒ったことはありません」といった陳述があります。
・決して泣かない子がいます。泣く子が当たり前です。反抗期がない子は問題です、
・習慣的過食  「寂しい」「心が空しい」と食べる
・無謀な運転


⑦その他の禁止令 

☆誇りを持ってはならない
・自分の成功をプラスに評価して喜べない

☆欲しいものを求めてはならない
・何が欲しいのか分からない
・くれそうな人に求めない
・手に入れても満足しない
・欲しいものを欲しいと言えない

☆自分を気遣ってはならない
・助けを求めるより「死んだほうがまし」

☆過去の不幸を手放してはならない
・外傷体験をいつまでも悔やむ
・逆に早く片付けすぎる
・過去の出来事にいつまでもこだわる


No.2 ドライバー(拮抗禁止令) 

ドライバーは、自分を駆り立てる力と言う意味で、禁止令発動の引き金の役割を演じます。

≪ 両親の「親」の自我状態から出されるメッセージで、制約的なものであり、もしそれを固く守れば、成長や柔軟性を阻止する可能性があります。これらは「駆り立てるもの」を含み「強くあれ」「もっと努力しろ」「完全であれ」「急げ」と「(自分以外の他人、世間を)喜ばせろ」などがあります。≫ 

ドライバーには
次の5つがあります

①急げ!

時間に駆り立てられるように、「急いで事を仕損じろ」つまり、「成功するな」「失敗しなさい」と言うメッセージを強めてしまうのです。
例えば、1時間前に試験会場に着いているのに、肝心の受験票を忘れて1年の苦労が水の泡になるといった例です。

②完全であれ!

例えば、同じ事を何度も子供に言うなどです。

③もっと努力しろ!

例えば、「親に感謝しなさい」などの言葉を発します。

④他人を喜ばせろ!

例えば、「ぐずぐずしないでさっさとやりなさい」「テキパキ片付けなさい」などの言葉です。

⑤強くあれ!

例えば、「メソメソするな」「我慢しろ」「泣く子は嫌い」「しっかりしろ」


マイナスのイメージが伝わる 

 ①~⑤を子供に伝える時、親が子供に対して、「あんたはダメな子」という気持ちがあると、マイナスのイメージが伝わってしまいます。

 完全主義の親は、子供に「受験票持った?」「持ってないでしょ」「あんたはすぐ忘れるんだから」「ちゃんと机の上に置いて忘れないようにしなさい」と言います。子供は、かばんの中にちゃんと受験票を入れていたのを、わざわざ机の上に置いて、当日忘れていくのです。子供を「愚図な子」と思っているから、どうしても言葉数が多くなり、目つきがきつく、間違ってしまうと「ほら間違えた、ほんとにあんたはダメなんだから」と口に出してしまいます。

 やさしく「ミルクをこぼさないで」と言うと、「私はできる」という気持ちになり、「ほら、こぼす、こぼす」と言って、実際こぼしてしまうと「ほら、やっぱりこぼした」と言うと、「ダメな子」と言うイメージが先に入ってきてしまいます。 うるさく言えば言うほど、間違うものです。
 子供をプラスに見るか、マイナスに見るかはとても大切なことです。
「こうやるとうまくいくよ」「人は時々間違うものだ」「完全な人はいない」と言う人間らしい親だと、うるさく言わないから、子供もリラックスしています。

 交流分析「基本的構え」で説明しましたが、「あなたはダメな子」=You‘re not OK.つまり、あなたはOKでない=ダメな子、不器用、物忘れが多いというイメージを親が子供に対して持つと、マイナスの考えにとらわれてしまいます。
 これを“マイナス思考”と言います。

 親にマイナスの気持ちがあると、マイナスのことになります。
 5つのメッセージが裏目に出るのです。親に「お前はダメな子ね」という気持ちがあると、マイナスのことになるのです。自分のことを「ダメ人間」と考える、劣等感が強い、自信がない親が多いようです。

 「あなたはOKでない」と言う構えから発信すると、脚本を強化するメッセージとなります。

 日本で一番多く使われるのは「頑張れ」と言う言葉で、あまり何度も言われると、子供は頑張れなくなるのです。

「ちゃんとしなさい」という言葉は、「完全であれ」と言うメッセージになります。
「急げ!」という言葉は、急ぎすぎて肝心なところで、失敗する(成功してはいけない)に結びついてしまいます。「失敗しなさい」というメッセージを強めてしまうのです。

 手ばかり洗う、確認する、片付けばかりして身動きが取れないなど、背後に強い攻撃性があるのです。「怒り」をないことにして押さえてきたのです。

 思春期は言われること、命令されることに対して、体ごと反抗し自分の自己主張をしたくなる時期です。「勉強しろ」と言うと、逆に勉強しない。「勉強しろ」というのを、ピタッとやめると、外部からのうるさい声がなくなり、子供が自分で考え始めるようになります。

 静かに沈黙を守って待つ。
 あたたかい心の通った会話をする。
 子供の話をじっくり聴く。
 話の腰を折らずに聴く。
 一区切りついたら、「あなたは○○と思っているね」と言い、そこでやめること。

「そんなことでは社会に通用せんよ」「少しは感謝しなさい」「少しはママの言うことを聞きなさい」と言わないようにしましょう。

 しっかりと親が話を聞くと、子供は親の話を聞いてみようという気持ちになるのです。「ちゃんとしなさい」「早く早く」と何回も言うと、この子はダメな子と思っていることになるので、メッセージが裏目に出るのです。

 思春期の子供は、しっかりした自分を作るために、反抗しないといけないのです。
 親から見れば「自立」子供のほうから見ると「反抗」つまり、コインの裏と表なのです。思春期の反抗については、親の方が変わることが必要になってきます。
 「この子は自分の考え方、感じ方を持っている」と認めることが大切です。
 反抗は小出しにするほうがよいのです。子供は、いっぺんに「自立」という課題に直面させられると、どうしていいかわからず、拒食症になってしまうことがあります。


”気”はどう動く 

 日本では、”気”という言葉がよく使われます。
 瞬間的な心の働きを”気”と言います。

 次のように駆り立てられる時、あなたの”気”はどう動くでしょうか?考えて見ましょう。
①もっと頑張れ!
・ 気が抜けない→→完全主義過ぎる
・ 気負いすぎる→→肝心なところで実力が出せない
・ 常に気を張っている

②ママをがっかりさせないで(ママを喜ばせよ)
・ 親の顔色を気にする→→気にすることのほうが多くなると対人恐怖症になりやすい。
親の評価が大事で、自分で考え判断することができなくて、親の顔色を見て、行動するので自分のない子供もが多い。 “よい子“には自分がなく、自分で考えられない
自分でしっかりと考えていく力をつけさせないといけない。
与えられたものを暗記するのではなく、自分でしっかり考え、正しいことを上手に主張できることが必要です
・ 親の評価がいつも気になる
・ 叱られると気が滅入る→→憂うつになる傾向があり、悪いほうへ悪いほうへ気が向く。

③何事もミスは許されない(完全であれ)
・ ミスを犯すと気が咎める
・ これでいいかと気にかかる(こだわる)
・ 完全でないと気が済まない

④もっとテキパキと早くしなさい
・ 間に合うか気が気でない
・ 遅れないかと気をもむ
・ 気忙しく振舞う


許可する 

 心理学では、禁止令に対して有効な解決方法が確立されているわけではありません。
「気づき」が自己変容をもたらすといいますが、なかなか理論通りにはいきません。「許可する」ことも、禁止令にとらわれている人にとっては、難しい事ですが・・・。

「許可する」というのは禁止令に対抗する内言です。禁止令というのは脚本の中に存在し、自分への命令として言語的・非言語的に存在しています。「許可する」は言語的ですが、禁止令を弱める力があります。

「存在するな」に対しては、
 「そこにいるだけでいいんだよ。」、「あなたがいるだけでうれしいよ。」、「あなたのことをいつも見つめているよ。」、「あなたが存在していることには大きな意味があるんだよ。」などの「許可する」ことを、自分から自分に対してメッセージします。
 なぜならば、禁止令は自分が作ったものであり、自分で変えられるものだからです。他人から変えてもらうものではありません。
 禁止令にはそれぞれ対応する「許可する言葉」があります。
 本人が一番癒される、一番ピンと来るメッセージがその人にとっての「許可する言葉」です。一番簡単な作り方は「成功していいんだよ。」「重要人物であっていいんだよ。」「近づいていいんだよ。」などといった作り方です。「~していいんだよ。」という形にするだけです。


No.3 人生脚本 

 私たちの人格形成には、両親との関係がものすごく影響を与えています。子供の頃に受けた「禁止令」が大人になっても、職場などの社会生活にいろいろな影響を与えます。

☆ なぜ次のようなことが起きるのでしょうか?

  • 試合前に練習をしすぎて、肝心な本番で疲労のため、実力を出せずに終わるスポーツ選手
  • 準備万端整えたはずなのに、試験会場で受験票を忘れたことに気づいてあわてる学生
  • 健康管理のためにジョギングを始めたのに、走りすぎて足を痛める人
  • 結婚して幸福になれると思ったのに、結局最後には離婚してしまう人
  • 子供に「勉強勉強」と一生懸命言って、高い月謝を払って塾にも行かせたのに、ちっとも勉強しないで、親の敷いたレールを行かず、いろいろな問題もたらし、親を嘆かせる人

 以上のように、大部分の人がなんでもなくこなしていくのに、肝心なところでこういうことになる人は、「脚本」を演じている可能性があります。
 幸福になる条件を持っていながら、不幸な人生に終わる、それを何度も何度も繰り返すとしたら、そこに何らかのルールがあるといえます。それをコントロールする力があるのに、それを妨げるものがあるのです。

 「脚本」とは無意識の人生計画で、子供時代に親の影響のもとで発達し、現在も進行中のプログラムをいい、人生の最も重要な面で、その行動を指図するものです。

 例えば、入学、進学、就職、結婚、子育て、どんな死に方をするか、小さな頃のいろいろな体験が、現在の行動に強く影響しています。
 「脚本」は親のCから出るもので、「出て行け」「頭の悪い子」「ろくでなし」「男の子だったらよかったのに」といった言葉や、冷たい目つき、ジェスチャーなど、本気で子供が、自分のことをいらない子供と受け取ってしまう、「禁止令」です。それは親が子供っぽくなったときに出てくる、幸福になるのを邪魔する命令です。


 「総理大臣までした人が最後に刑務所は入ってしまう」、「飲酒運転はしてはいけないのに、なくならない」など、強い自己破壊的な行動を繰り返す、反復強迫があります。
 手を洗わないではいられない手洗い強迫、何度も確認して莫大な時間を費やす確認強迫など「そうしなくてはいられない」のです。

自己破壊的、不幸になるように無意識に計画してしまう
無意識の人生計画を“人生脚本”といいます。

「勉強、勉強」と子供に強いたことが結局子供を勉強嫌いにさせ、大学も卒業せず、ぶらぶらしているといった例です。
“人生脚本”は、学校を選ぶ、就職、結婚、子育てなど人生の重要な局面で、その人の行動を指図するもので、マイナスマイナスのほうへ向かってしまうものです。

 例えば、心配性の親、過保護の親は、Aを通り抜けてCに入っているのです。
 子供が遅刻しないよう、先回りする、「自分のことは自分でしろ」といいながら、全部親が計画を立てて全部親がやってしまう過保護な親の下で育った子供は、親から離れられないのです。
 子供に「自立しなさい」といいながら、「私なしでは生きていけない」「私から離れてはいけない」「自立しちゃダメ」というメッセージを伝えているのです。そうすると、子供は「私は決して母から離れまい」という決心をし、「成長してはいけない」という禁止令になります。
 ギアをAに入れて、「何が原因でこんなに心配性なのか」「何が原因でこんなに怒りんぼなのか」と自分に問うてみましょう。
 人は何らかの形で”魔法にかかっている”といえます。
 ”魔法”というのは、「あなたの自律性と自由を妨げている命令」で、子供の本当に生きる力を抑えて、知らないうちに牛耳ってしまうものです。
 極端な例かもしれませんが、大学生になっても電話で起こす母親、「新婚旅行どこへ行ったらいいか分からない」という子供に、行く先を決めて、挙句は旅行先までついていく母親がいるのも現実です。
 これは決して笑い話ではありません。
 「頭の悪い子」「ダメ人間」「不器用」「役立たず」など、「自分はこういう人間だ」と結論を下したのはいつですか?
 友達、能力、遊び、容姿、成績などについて、誰の言葉が影響しましたか?どんな“呪い”の言葉を聞きましたか?

自問自答しましょう。
 禁止令はあなたの人生を知らないうちに支配するのです。親のCから子供のCへの言葉ではなく、行動や生き方で示すものです。
「あんな子と遊ぶな」
「休み時間に単語を覚えろ」
「親の言うことさえ聞いておけばよい」
「男の子が泣くんじゃないの」など、親から言われたことはありませんか?


No.4 禁止令の
見つけ方

    ・もしも私が○○を経験しなかったら、このことは問題ではないだろう
    ・もしも私が○○を取り除くことができれば、このことは問題ではないだろう
     (例)もしもこれほどビクビクしなければ、私はうまくやれるのに
    ・問題があるときに、身体の中でどこに最もその辛さを強く感じますか?(不快感)


    禁止令の下にいる私の年令を探る
    ・その身体の感覚にふさわしい年令を尋ねる
    ・何歳のとき、どんな状況でその禁止令を受け入れましたか?
    ・そのCに名前をつけて呼ぶことにしましょう

    Cと Aとの対話を行う
    ・私は何才か?(現在の年令・・・・ギアをAに入れる)
    ・年令に相応しい私(A)、Cと対話する
    ・AとCとのつながりを維持し、支え、禁止令に変わる許可を与える

    例)あなたは人生を楽しんでいいのです
      私があなたを守ってあげるから安心して人生を楽しみなさい。

  •  自分がどんな禁止令の下に生きてきたのか、その禁止令を探しましょう。それは正当に幸福になってゆくのを妨げるものなのです。
    「ないことにされた私」が心の奥にしまいこまれて、「いつもニコニコしていなければいけない」というように人の成長から見るとまったく変なことなのですから。
    そのことに気づくことはとても大切なのです。
  •  自分はどこを変えたいのだろうか。自分の問題を具体的に明確にしましょう。
    1) 悩みがありますか?幸せですか?
     子供を叱りすぎる。子供にもう少し優しくしたい。自分の気持ちを出してみたい。
    2) 何が解決すれば今より楽しくなりますか?
     あなたがこの人生で一番欲しいものは何ですか?今の生活でもっとも望ましいことは?
    3)今の生活で最も苦痛なことは何ですか?
     「あのことさえなかったら別の人間になっていただろう」と思うことがありますか?

 次に自分の問題が解決した日には、どんな気分でしょうか?
 例えば「子供に意地悪を言う」自分を変えたいという場合、変えることができた日を想像しましょう。
 子供と和気あいあいと問題を話し合える日が来てとてもいい気持ちになる。
 家の中が明るくなる。
 自分の気持ちが穏やかになって、子供をやさしい目つきで見ることができるようになる。
 子供の為においしいものを作るようになり、子供を褒めることが増えた。
 自分が変わったことを想像しよう。
 いい気持ちになると、新しい行動をとるとりやすくなるものです。なぜなら、感情が行動を牛耳っているのですから。そして、相手を「変えよう変えよう」としない。途中で話の腰を折ってしまわない、一区切りの相手の話を聞いて発言しよう。
 相手に「言いたいことを十分話した」という気持ちを持たせることが大切なのです。
 「でも」「そうじゃない」をやめて、相手に話させる。
  相手の言うことを最後まで聞いて「あなたの言ってることは、○○ということなのね」「どういう意味で?」と聞きましょう。
 例えば、自分が変わった日にもう少し優しい目つきでいるとすれば、今日から子供に優しい目つきをする。1つでも2つでも、少しでもやさしい言葉かけをすることを増やしましょう。
 「お帰り」「お休み」などやさしく声かけしましょう。
 子育て、夫婦のことで、自分の心の中を探ってみると、PとCの間の戦いがあることに気づくと、ほっとして肩の荷が下りる、すぐに解決しないけれど話すと気が楽になり、考える力が出てくるものです。
  今まで嫌いだった自分が少し好きになると、よい方向(変化)が起きてくるのです。
 「~しなければならない」「~すべきだ」の契約はほとんどうまくいかない、「私はダメだ」という気持ちを強めてしまうのです。
 言えば言うほどやらない子、がみがみ言う私、ついついあせってしまう私、最後に決まって後悔する、怒り、嫉妬、後悔、心配性、憂うつなど明るくない、楽しくない気持ちにさせようとする私の中の力をラケット感情と言います。


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