認知の歪みー肯定的なものの格下げ参照
「相手を値引きする」場合と「自分を値引き」する場合があります。
こちらが抱いている否定的な感情を、何らかの形で相手に伝達することを「値引き」と呼んでいます。相手を殴ったり罵倒すると言った直接的な行為も含まれますが、むしろ、皮肉、嘲笑、からかいなど、間接的な手段を用いて相手を傷つける場合が多いです。
A)相手、あるいは相手の問題を無視する
挨拶をされても、知らん顔をしたり、会議の席で、相手の発言の直後に、それとぜんぜん異なる話題へと話を進めます。
B) 相手、あるいは相手の問題の重要性を無視する
相談を受けても、「そのうちに考えておこう」といって引き伸ばします。
C)問題解決の可能性を否定する
「それができるくらいならやってみたまえ」など、皮肉に満ちたコメントなどを言います。
D)自分の側の関心や、問題解決能力を否定する
この場合、当人は相手の問題にも気づいており、その解決も可能であると信じています。しかし、実際にそれを処理する段になると、自らの能力を値引き誰か他の人に肩代りさせようとします。
「私はもともとこんな性格ですから、いまさら変えろといわれても無理な話ですよ。むしろ、こんな仕事は○○さんにたのんでみては・・・。」といった逃げ口上を言って、深入りするのを拒むのです。
私たちはどこをどう値引いているのでしょうか?
自分と他人の状況を「マイナスマイナス」のように考えるのを”値引き“と言いますが、マイナスのストロークが心を牛耳って、つまり”悪い私”が牛耳って、自分の中にある「いい面」を見ようとしないのです。
例えば、「自分をOKでないとみなす人」「この子はダメだ」と部下の中に潜む力を認めようとしないといったように「他人の価値を重視しない人」、「お酒を飲んで運転しても大丈夫」と現実的な状況を無視する人、「あの人にはできるけれど、私にはできない」といった具合に自分と他人が混乱している人などです。
誰の中にも問題解決の力はあるのに、「私はそんなことできません」と自分の力を無視してしまう、軽視してしまうことがあります。自分の中に変わってゆく力があるということを信じれば、必ず人は「変わる」ことができます。
親は、「この子はだめな子なの」と、この子の中にすばらしい力があるのに、値引いてしまうのをやめましょう。
行動は感情が規制するものです。自分の心を楽しい気持ちで満たすことは、大事なことです。
部下のあらばかり探さずに、ほめることを始めましょう。必ずあるよい所を少しでもいいから褒めましょう。
落ち込んだときは、ものすごく苦しい嫌なところにたっぷり浸りましょう。
そして次に、3分から5分間、例えばハワイへ行って楽しい気持ちになることをうーんと味わい、空想しましょう。
嫌な気持ちになる、楽しい気持ちになる、これを繰り返すとくたびれた心を回復させることができます。
ちょうどシャトルバスのように、苦しい場面と楽しい場面を心の中で行き来すると、ずいぶんと心は楽になるものです。
人にとって睡眠は心と体を回復させてくれる大事なものです。心の疲労は「夢」が処理してくれます。夢は心の疲労を回復するためにあります。悪夢は心の問題が大きすぎると見るのです。
レム睡眠といわれる、REMはrapid eye movementの略で眼球が左右に早く動く時心が回復するといわれています。
人はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。この方法を利用して、起きているときでも、少しの落ち込みには、「首をまっすぐにして眼球だけを左右に動かす」動作を繰り返すと、小さな悩みは解決するといわれます。試してみませんか?
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「変わる」ことについて
人は変われる。よい方向にも悪い方向にも、人は変わるものです。人が変わるいろいろな条件を考えて見ましょう。
例えば、肉親の死など重要な人が亡くなった時からしっかりするということがあります。更年期、牧師やお坊さんから説教を受けるとか、結婚して遠くに引っ越した場合、成人喘息が起きるが、実家へ帰ると発作が治まるなど、何かがきっかけになると「変わる」ということがあるのです。
自分で変わろうとするとき、妨げるものは何でしょうか?
それが”禁止令”といわれるものです。
小さい頃から親や養育者に「お前は何をやってもだめだ。「お前が男の子だったらよかったのに」「弟と比べてお前はダメだな」など非建設的なことを言われたり、またそういう目で見られたりすると、正常に幸福になっていくのを妨げられるのです。
自分がどんな禁止令の下に生きてきたのか、その禁止令を探しましょう。それは正当に幸福になってゆくのを妨げるものなのです。
「交流分析」には次のような言葉があります。
「自分で気づいて、自分で自分を成長させてゆく」気づくことによって、人は変わる。
「過去と他人は変えられない。自分と未来は変えることができる。」
私の大好きな言葉です。この言葉に出会って、交流分析に興味を持ち、学びたいと思いました。
生かされて生きる、いのちへの「気づき」が私たちの心を根底から安定させるものです。
このいのちに対する感謝の気持ちがあれば、傲慢になったり、不安になったりする自分に対して、客観的に観察することができるようになり、自分の気持ち「想い」と向き合って素直に自分を認め、自分の力で成長することができるようになるのではないでしょうか。