Short Column

心理学からのアプローチ

シンクロニシティ、セレンディピティ、トランスパーソナル心理学

 2012/04/12~


Short Column No.01 


意味のある偶然の一致

 世の中には科学では説明のつかない不思議な偶然がたくさんあります。
 私たちが現在生きているこの地球ですが、この地球が今のように沢山の生命が住める星であること自体、実は科学では説明がつかないのです。科学的な計算では現在のような地球は「存在していない」という答えが出てしまうのです。でも、現在地球は存在しています。途方もない偶然の重なり合いです。
 日常生活でも、不思議な偶然はたくさんあります。経験はないでしょうか?
 例えば、噂をしていた人物が現れた。遠い旅先で知人にあう。必要としていた物を貰う。考えていたことを隣りの人物が話し出す。自分で買ったり、人から貰ったりして、同じ物が集まってくる・・等。数えだしたら切りがありません。
 けれど、こんな日常の些細な偶然から、歴史的事件の偶然、勘や予知などの直感、超能力的なもの、また上記の地球が存在する偶然も実は同じ種類の秘密から成り立っているものなのです。
 スイスの心理学者カール・グスタフ・ユング(1875年~1961年)は世界に溢れるこの「意味のある偶然」に注目して、世界で初めてシンクロニシティの論文を発表しました。
「シンクロニシティ」はユングがつくった言葉で、直訳すると「共時性原理」、“意味のある偶然の一致”のことです。  


 普段は気に留めもせず、見過ごしがちですが、貴方の身の回りには今の科学では説明のつかないとこが溢れているのです。
 この「意味のある偶然の一致」シンクロニシティとは何なのでしょう?
“意味のある偶然の一致がこの世にあるのなら、きっとこの世の中はこんな仕組みになっているからだろう”という仮説をユングは立てています。

“世の中のもの全ては 繋がっていて 互いに連動している”
 世の中には、科学ではまだ発見されていない、ある種の繋がりがある・・・。

 そう仮説を立てないと、確率以上に起きる“意味のある偶然の一致”は説明する事ができません。何の繋がりも、理由も、原因もないのに、「意味のある」ことは起こりようがないからです。
 この繋がりは、心理学の世界ではよく、氷山に例えられています。
海面から出ている氷山は、普段、私達の意識の表面にでている表層意識。海面から出ている部分より、はるかに大きく、水中に没している部分が深層意識。無意識の部分です。そして、海面からは別々の塊に見えた氷山は、海の底へ行くとじつは全てが繋がっていて一つのものなのです。

意識の奥底ではこの世のあらゆるものが繋がっている。

 それがユングのシンクロニシティの仮説です。この繋がりは目に見えるものではなく、普段は意識の底の底に沈んでいて、人間だけでなく、動物、植物、鉱物から、この世にあるもの全てを繋げているのです。
 そして互いに影響を与えあい、互いに連動して動くもののようです。世の中にある何かが動けば、他のものも影響を受けて動く、といった感じです。
 その分かりやすい例に「占星術」があります。
 占星術では「宇宙の遠くにある星の動き」と「地上の人間の動き」は連動しているとします。そして未来の星の動きを計算することで、その動きと連動する、人間の行動を予測することが出来るといいます。
 占星術を創った古代人は、星と世の中の動きを観察し続けてその実際の経験から、星と人間の関わりを解明していきました。
 現代の科学では「星の動き」と、「人間の行動」との間には何の関係もないと言うでしょう。星の動きと、人間の行動が連動する理由もありませんし、占いも100%当たるものではないからです。けれどその確率は“偶然に起きる確率”をはるかに超えるのものであり、そして何故そうなるか、科学では説明ができないのです。
 占星術が100パーセント当たらない理由ですが、占星術では、星の動きと、それに対応する人間の動きが全部解明されていないということもありますし、また星の動きが及ぼす力は、あくまでも“影響”ですので、可能性や傾向が強くなっても、最終的に判断をして行動を起すのは人間の意思によるためにあります。
“そうなる可能性は高くなるけれど気持ちの持ちようによってはそうならない”偶然の一致はいつも100%起きる、なんてことはありません。

偶然の一致とは、殆ど起きそうもないようなことが、確率以上に表れることなのですから。

 分かりやすい例があります。
「足裏反射ゾーン」という言葉をご存知でしょうか?要は足ツボマッサージです。足の裏には体の各部分に対応するツボが集まっています。体に悪いところがあると、それに対応するツボが激しく痛み、そこを揉みほぐすと体の悪い部分も良くなります。
 直接的な例では「一人の人間」と、「その人間の一つの細胞」もそうです。一個の細胞には、その人間の遺伝子情報がすべて詰め込まれているのですから。
 足裏やDNA、占星術の例、それと同じようなことでこの世界は成り立っているらしい、という事です。
 宇宙と惑星、惑星と人間、人間と人間、この世の最も大きなものから最も小さなものまで、全てが繋がっているらしいのです。そして、偶然の一致を起している原因は、宇宙には「物事を結合させる」働きがあるためのようです。「物事を調和させる」働きと言っても良いでしょう。
 この働き(原理・法則)は宇宙や自然に調和のとれた運行をさせる原理です。
 人間の体の組織が調和して体を維持する働きです。
 また、占星術が当たる原理、仲間同士が調和した時うまくやっていける原理、ウワサをした人物が現れる秘密です。 調和させ、私たちを結びつける働きが“偶然の一致”を起している秘密です。

 ユングが大きな影響を受けたとみられる哲学者ライプニッツの言葉です。

「すべての人々が宇宙のなかで起きるすべてのことに反応する。そのため、すべてが見える人は、それぞれのなかに、いたる所で起きていること、そして、起きたことや起きるであろうことさえ読み取る」

人間には本来このような能力が備わっているとのことです。仏教で言う“悟りの境地”や“超能力”もこういったことのようです。


Short Column No.02 


シンクロニシティに出会うために

私達が、実際にシンクロニシティに頻繁に出会えるようにする方法です。


1、心を内面に集中していくこと

「悟り」を求める人や、本格的に「繋がり」を求めていこうとする人には「瞑想」や「禅」など、「心を内面に集中していく」方法は良いと思います。けれど、ちょっと難しいですし、ここまでする必要を感じないという人が大半だと思います。そんな方は、2の方法が良いでしょう。

2、リラックスする

 表層意識の働きを鈍くする方法です。ボーッとして、何も考えないでいる時間を持つようにしてください。考えごとや悩みがあって、どれほど考えても解決策が浮かばす、諦めて気がフッと抜けた瞬間、答えが浮かんだ、ということはありませんか?
 リラックスして、潜在意識が自由に動けるようにしてやると、直感や勘が冴え、名案も浮かびやすいでしょう。

3、求める

 これはシンクロニシティのキッカケ作りです。何かを真剣に求めることは、意識の底の繋がりを使って、必要としているものを引っ張り寄せることになります。
 マーフィーの法則では、リラックスして、願望が成就した様子をありありとイメージするように教えています。そうすると、潜在意識は何らかの方法(偶然の一致)を使ってその願望を現実化します。
 もし、この方法を試されるのでしたら、必ずポジティブな願いにしてください。なぜなら、他人の不幸など、ネガティブなものを願うと、自分にも同じ事を引き寄せることになるからです。

4、起こったシンクロニシティを記録する

 これが最も実践しやすい方法かもしれません。「求める」と同じように、やはり、自分が興味を持っていることも自分の身に引き寄せることになります。
 シンクロニシティに興味を持てば、シンクロニシティが寄ってくるのは当然のことと言えます。起こったシンクロニシティを、どんな些細なことでも書き留めていくと、確実にシンクロニシティが起こりやすくなります。
 私もこの方法を実践しているのですが、些細なシンクロニシティなら、以前よりもずっと多く、身の回りに起こるようになりました。シンクロニシティは、どんな些細な事でも、いつも新鮮な驚きを感じます。
 一度試してみてはいかがでしょう?

Short Column No.03 


セレンディピティ

 セレンディピティ(英:serendipity)とは、何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉です。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」のことを指します。
   (平たく云えば、「ふ」とした偶然をきっかけに、幸運を掴む事です。)

 セレンディピティは英国の作家ホラス・ウォルポールの造語だそうですが、科学技術の世界では「夢見る力が未来を切り拓いていく。努力を重ねた者にだけ、偶然の幸運は訪れる」として、多くの研究者の基本となっています。

「セレンディピティ(serendipity 偶然の幸運、偶然幸運に出会う能力)」に着目すると、恋人との出会いとノーベル賞級の発見には、多くの共通点があると述べています。

 それは行動→気付き→観察→理解→実現の5要素であり、「ポイントは、まず行動を起こさなければ偶然の出会いは起こらない。さらに重要なポイントは、行動する理由や目的は何でも良い。」
ノーベル賞を受賞した4人のうち、3人(東大の小柴昌俊名誉教授、島津製作所の田中耕一氏、筑波大学の白川英樹名誉教授)はセレンディピティです。

 最近、ニート(仕事も勉強もしない若者等)が社会問題になっていますが、彼らからよく耳にする『人生の目的や目標がないから何もやる気が起こらない』という主張のどこが間違っているかというと、目的や目標は何でもよい。要するに行動しなければ偶然の幸運には出会えないということなんです。」と述べています。

 この「セレンディピティ」と少し似た概念に「シンクロニシティ(synchronicity 意味のある偶然の一致又はそれを導く能力)」という言葉があります。
 それは、目的を脳にインプットしておくと、熱い想いに沿って具体的な現象の方が起きてしまうこと、つまり、目的が明確でそれに向けて努力していると、潜在能力は目的達成に向けて誘導しようとするということです。
 シンクロニシティは目的がはっきりしていて熱い想いを持ち、未来の目的達成のために今、何をすればいいかを分かっている人、しかも、それを楽しみながら出来る人に優先的に起きてしまう現象のようです。

 つまり大事なことは、目的外のセレンディピティ;偶然の幸運に出会う能力 にしても、目的を明確にしたシンクロニシティ;意味のある偶然の一致を導く能力 にしても、
それを高めるためには、
まず行動があること、
熱い想いがあること、
努力があること、
気付きがあること、
そしてそれを楽しみながら出来ること、

という共通点があることが分かります。


Short Column No.04


トランスパーソナル心理学


 トランスパーソナル心理学を知っていますか。カウンセリングを学ぶ人を中心に学会もできています。(トランス=恍惚。うっとりするさま)
 超個心理学といわれ、自分中心から離れて、自分を超えて、他の人の幸福を中心に生きられれば、自分も幸福になるという考え方です。
 相手を自分のためではなく、相手のために愛すると、心も体も健康になるといわれています。難しいことですが、自分が何者かに愛されると、嫉妬心はなくなるのではないでしょうか。
「Self」とは、自分の体も心も考えも全部含んだ全体をいいます。
 宇宙の法則に沿って生きていく生き方です。
 人は、皆心の中に「Self」を持っています。何か大きな力に守られています。

 宇宙の自然の調和とか愛に反抗しているから、病気になる。
 宇宙の摂理と調和するように考えていくと、健康になる。
 世の中を支配している法則は、“愛”つまり、相手のために愛すること。
 個の「Self」からのメッセージを掴み取ると、心の平静さ、感謝、愛、善意が表れる。

 代表者はスタニスラフ・グロフ、ケン・ウィルバー。
以下は支持する立場からの宣言文的紹介です。インターネットより転載しました。

 トランスパーソナル心理学は、哲学であり、思想であり、学問であり、幸福論であり、自分学であり、医療であり、すべての科学の理論(物理学や量子力学をも含む)と、実証されたことを結集して、より高度な心理状態を達成しようというものであり、セラピーやワークをともないます。
 孤立、不安、悩み、いらだち、身勝手さ、憎しみ、争い、奪いあい、殺しあい、とめどもない精神破壊、環境破壊から、個人や人類が生き延びるためにはどうしたらいいのか。トランスパーソナルの主張をまとめると、次の3つのポイントになります。

1.人間の成長は、自我の確立、実存の自覚、自己実現などの言葉で示される。

  <人格=個人性=パーソナリティ>の段階で終わるのではなく、他者・共同体・人類・生態系・地球・宇宙との一体感・同一性(アイデンティティ)の確立、すなわち<自己超越>の段階に到達することができる。

2.人間の心は生まれつき、構造的にそうした成長の可能性をもっている。

3.その成長は適切な方法の実践によって促進できる。

 周囲に流されることなく、自ら判断し、自分の命の、かけがえのないすばらしさ、愛しさを知っているからこそ、他者の命をも尊重することができます。理性、批判力、独立性、自律性といった、個人的なもっとも正当で生産的な面を充分に包み込みながら、それを越えていく。
”自己放棄”ではなく”自己確立”を経たうえでの”自己超越”(トランスパーソナル)なのです。

 いい人にならなければならない、なりたい、なろうと思うだけではなれないのは、エゴイズムが、知識、理性、意識の問題ではなく、人間の魂の奥深いところの問題、いわば「深層心理」の問題であるからではないのか。とすれば、いかにして、心の深層に深く根を張ったエゴイズムを絶ち切り、枯らせてしまうことができるのでしょうか。
 トランスパーソナルな人たちは、エゴイズムの根深さ、深層性を十分認識したうえで、それでも人間の心は構造的にエゴイズムを越えることができるようにできていると主張します。

 トランスパーソナルは、西洋科学(心理学)と東洋宗教(特に禅)の統合という面をもっています。最終的に目指す心理状態は、「悟り」です。
 科学的な宇宙の考え方は量子力学と、エネルギーと物質を別の物と考えることに疑問を呈したアインシュタシンの相対性理論によって、根本的に変わりました。

 宇宙が論理的に行動する微細な固形物で出来上がっているという都合のよい考え方はこっぱみじんに吹き飛んだのです。粒子は別個の存在ではなく、互いに関連しています。

 世界は相互に関連した出来事の連続であり、とぎれることのない動的な総合です。科学者は今、観察者ではなく参加者になり、そして物理学と神秘主義には、はっきり平行線に達し、ひとまわりして元に戻りました。

「(現代物理学の)発見には強力な認識がひそんでいます。すなわち、これまで気がつかなかった精神の力を認識することで《現実》が形づくられるのであり、その反対ではないということです。その意味で物理学の原理と、悟りの原理である仏教の原理に一線を画せなくなる。」

 誤解を恐れずに端的に言うと、トランスパーソナルとは、それぞれの心理の成長段階に適した心理的処方をあたえる事により、個人が個人意識を越え宇宙のふところに深い安らぎを見いだした心境、<宇宙意識>=個と宇宙の一体感(仏教でいう悟りの境地)にまで、誰でも到達することができるという体系なのです。
 そして処方を与えるのは、自分自身であるから、自分を突き詰めて行くことこそが、最大の主題になります。
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