Inner management-Colum 03(コラム)

人を動かす

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 感動が人を育てます。感動が能力をひきだし、楽しさを創り、その成果が組織の成長、発展につながります。「成果」と「能力」と「楽しさ」は相互につながっています。私たちにとって最も大切なものは、仕事に対する「誠意」です。


はじめに 

「人が育つ風土づくり」が組織にとっていちばん大切だと思います。
 花(個人)に水をまく前に土(職場環境)を耕す必要があります。そして、種(テーマ)をまきます。ほどよく水を与えて、十分な太陽の光も必要です。気配り、雑草取りも忘れてはいけません。
 土地を耕すことが、「職場環境」を整備することです。
 身の回り、社内の整理整頓、掃除力が基本です。「場」がきれいになれば気持ちよく仕事することができます。経営者の心を一番よく表しているのが「職場環境」です。
 種をまくことが「目標の明確化」つまり、企業理念の確立です。社員に対する感謝とその存在の承認、安心感が必要となります。そして、常にその種に水をかける必要があります。
 金銭的な保証とモチベーションの維持に日々努める必要があります。かけすぎてもダメです。水を与えすぎると根腐れがおこります。仕事の報酬は、金銭ではなく、仕事を与えることです。
 太陽の光とは、現場で毎日働いている社員、一人ひとりに対するトップの気配り、承認というプラスのストロークだと思います。
「人を動かす感動の法則」の目的は、社員一人ひとりが、自律的に生き生きと働く楽しい「場」(職場環境・雰囲気)を創り、その「場」を日々高めることです。

 誰でも仕事に興味がないと、「好きと感じる」事はできません。
「人や社会に貢献」するための仕事でないと、モチベーションが上がりません。
 共通の目的に仲間と共に取り組むことができる志がないと、楽しいという感情は生まれません。
 形のあるお金や財産などの「物体」は有限ですが、「感動と感謝」「仲間の存在」は無限の財産だと思います。その無限の財産を創りだすことが、仕事ではないでしょうか。

「楽しいという感情は、物で得ることはできない」
  私たちは、"与える心で行動している時"に心の力が最大限に発揮される。人に対して喜んでほしい、役に立ちたいという思いで行動するとき、愛や思いやりの心で行動するとき、私たちの心も体もすごく活性化される。


Cold reading (人を動かす感動の法則) 

心理的優位に立つ方法
「サトルティ」を使う
 皆さんは、コールド・リーディング(Cold reading)という言葉を知っていますか。
 コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つで、外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術です。
 「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読む」という意味です。
 そして、相手の潜在意識にさりげなく示唆を与えることをコールド・リーディングでは「サトルティ」(subtlety)と言います。
 直訳すると「繊細さ」ですが、意識ではなく、潜在意識で感じ取ることです。
態度や雰囲気、言葉づかい、スキンシップを使い、相手に対して心理的操作「サトルティ」を行います。
 部下が何か失敗をした時、リーダーのあなたがどんなに「大丈夫だよ」と笑顔でいっていても、目が笑っていません。手は怒りで震えています。これではすぐ見抜かれてしまいます。
 感情では、問題の解決はできません。「では、どう対処するか」があなたに問われています。

 リーダーシップを発揮したいからといって、相手を威圧してもいけません。相手を包み込むような目で見、笑顔で接するのです。よくいわれる「目が笑ってない」笑顔は冷たい印象を与えるので、それなら無理に笑わないほうがいいと思います。
 あくまでも心からの笑顔で接することです。
 とはいっても、あなたも人間だから、いつも失敗をごまかしてばかりいる部下を前に本当の笑顔など出てこないかもしれません。そんなときは、その人の肩の先に、愛する人が笑っているとイメージしてみるのです。家族でも恋人でもペットでもいい。愛するものへの極上の笑顔をみせることで、部下に対するあなたのリーダーシップは間違いなくあがります。
 ここが大切なのですが、「意識ではっきりととらえているものよりも、潜在意識にすっと入ってくるもののほうが、より大きな影響を心に与える」という法則です。
 これを使って、相手より心理的優位に立つことができます。
 これが、リーダーシップです。
 そして、リーダーの仕事は、部下を育てることなのです。
 テーマは「いかにして" リーダーシップ""求心力"を手に入れるか」です。
 コールドリーディングはそのための、手段の一つに過ぎません。
 繰り返しますが、どんな人間関係も、仕事に対する誠意がなければうまくいきません。

 ある有名な方の話ですが、高校生の時は相当の悪で、いつも悪さをしては親に叱られていたのですが、当時の担任の先生は優しい方で、その先生だけは彼を決して叱らず、本人も好きだったそうです。
 ある時、授業をサボって学校を抜け出そうとした時、生活指導の教師に見つかり、職員室に連れて行かれました。
 以前から常習犯であり、今度こそは停学になるだろうと本人も覚悟を決めていました。
 ただ、担任の先生に迷惑をかけることだけが、気にかかっていました。
 その生活指導の教師は、日頃から担任のあまい態度に批判的でしたから、職員室にいた担任の先生の前に連れていき、「あなたの指導が甘すぎるから・・・。」と言いかけた時です。
 担任の先生が、烈火のごとく怒り出し、大声で、「お前は何度言ったらわかるんだ」と怒鳴り上げました。今までそんな先生を見たことがなったので本人も、周りにいた先生たちもびっくりしてしまいました。
 そして、その生活指導の教師も普段とは違う態度に勢いもそがれ、逆に、「まあまあ、」となだめる役に回ってしまったそうです。

 本人はじっと下を向いて内心びっくりしながら叱られていましたが、ふとその先生の顔を見上げると、目が笑っているのです。
 声は大声で厳しい言葉なのですが、叱られている自分が叱られているように思われず不思議な感じだったそうです。
 結局、その場は生活指導の教師のとりなしでうまく収まり、停学にもならずに済みました。  その夜、迷惑をかけた先生に謝りに言ったところ、先生はいつもの笑顔で、「うまくいったな」とニコッと笑いながら言われたそうです。
 この先生だけは、「絶対に裏切ってはいけない」とこの時、決意したそうです。
それ以後、不良と呼ばれるようなことはしなくなり、無事、学校を卒業できたとの事でした。
人生の恩人であるといっておられました。


 心理学のテクニックは使い方でこのような効果があります。もしその場で生徒をかばったら、生活指導の教師は間違いなく彼を停学にしていたと思います。
 その生活指導の教師の思惑をこの担任の先生はすばやく読み取っています。そして、彼の思惑をはずします。
 担任の先生が保護者から迫害者に変わり(演じて)、怒りを示すことで、生活指導の教師は担任の先生をなだめることに意識がうつり、(無意識に教師としての使命感が)本人に対する保護意識を高め、生徒の保護者になり、この場を丸くおさめようとしたのです。
担任の先生のほうが一枚も二枚も上手です。私の想像ですが、その先生は間違いなく心理学を勉強しています。


No,1 態度・雰囲気をつくる 

「あいづち・うなずき・アイコンタクト」を使う
 「傾聴」は、しっかりとあなたの話を「関心をもって聴いていますよ」という合図を送りつづけ、特に言いたいところや、話し手の気持ちや感情が出た部分を聴きのがさないようにすることです。
 相手の話の自然な流れを妨げず、注意深く、相手に寄り添って聴く事の基本を理解し、態度で示します。これが、「あいづち・うなずき・アイコンタクト」の意味です。

●あいづちの仕方
 相手に寄り添う態度を示します。
   ①うなずく 相手の話をしっかり聞いているという態度を示す。
   ②あいづち 相手の話しを理解しようとする態度を示す。
  「事実」にあいづちを打てば、相手は事実を話します。
  「感情」にあいづちを打てば、相手は感情を話します。

 コミュニケーションの大原則、それは「決定権は相手にある」ということです。これが理解できれば「相手に伝わっていないのは、それはこちらが悪い」ということがわかります。
 ここに、心理的優位に立つコールド・リーディングのテクニックを追加します。

 以前、次のような事がありました。
 私がホテルのロビーに座っていると、ひょっと離れたところで二人の人物が穏やかに話していました。私はちょっと離れた場所でなにげなくぼんやりと見ていました。
そのとき、変なことに気づいたのです。
二人とも同じような年齢ですが、ひとりの人のほうが「偉い人」に見えたのです。
「なぜだろう、なぜそう感じたのだろう」と、私は不思議に思いました。
 威張っているわけでもなく、その人ばかりが一方的に話しているわけでもありません。
 しかし。わたしには、なぜかその人のほうが「偉く」見えたのです。
 よく、観察してみると、その人は相手を温かく優しい目で見ながら、真剣に話を聞いていました。しかし、うなずく回数こそ少ないものの、うなずくときは、とても感じ入ったように深く、深くうなずいていたのです。
 一方、もう一人の人は、話を聞きながら頻繁にうなずいていました。
違いはこのことだけでした。

 つまり、人の話に頻繁にうなずかない。その分、うなずく時はゆっくりと深くうなずいて見せることです。
 これが、心理的優位に立つコールド・リーディングのテクニックです。
 理由は次の二つがあります。

① 緊張と緩和の原理
 人の心を動かすには、緊張と緩和を交互に使い分けるのがコツです。最初にかなりきついことを言っても、最後には「でも、頑張っているからね、・・・。」などと優しい言葉をかけると、部下は心を開きます。この仕掛けが、上記の例でも有効なのです。
 つまり、相手の話を聞いているとき、うなずく頻度が少なくなっても、相手は意識的にはほとんど違和感を覚えません。しかし、潜在意識では微妙に緊張感が高まってくるのです。
「あれ、このひとは解ってくれているのかな」「同意してくれているのかな?」という落ち着かない気持ちが積み上がってきます。無意識に同意して欲しい気持ちが高まってきます。
 相手も肯定的な同意を得たいと言う気持ちが強まってくるタイミングで、深くうなずいてもらったときに、相手はホッとします。
 受け入れてもらった安心感が何倍にもなって感じるのです。ここに主従の関係が出来上がります。
 つまり、「受け入れてもらった」方が「従」で、受け入れてあげたほうが「主」の関係になります。だから、うなずきの少ない人のほうが、相手をリードすることができます。

② 余裕と真剣さ
 相手の話を聞きながら、頻繁にうなずく心理の背景には、「もつと私の話を聞いて欲しい」という気持ちがあります。
 自分の話を聞いて欲しい、受け入れて欲しい、認めて欲しいという心理状態ですから、相手の話を聞かず、適当に流そうというシグナルが頻繁なうなずきになります。
 潜在意識的には「この人は他人の話を聞く余裕もない人なんだ」という印象を相手に与えてしまうのです。
 相手の話に真剣にじっと耳を傾け、大切なところだけ深くうなずいてみてください。あなたに落ち着きと余裕が漂いはじめます。
 聴く姿勢や視線そして表情などはすべて、相手へのメッセージになる。
 相手の話の自然な流れを妨げず、注意深く、相手に寄り添って聴く事の基本を理解し、態度で示します。これが「傾聴」です。

●傾聴の態度
①視線
 凝視しないで自然に視線を相手に向ける。なるべく視線をそらさないこと。しかし、見つめすぎてはいけない。相手を安心させるアイコンタクトが必要です。
 それは、「相手を包み込むように見ること」です。

②姿勢
 リラックスしてやや前傾になり、相手への関心を示す。そっくり返らない。やさしく自然に、ゆったりとした表情や身振り、上体や脚を揺すらない。脚はしっかりと床につける。腕組みをしない。

③言語
 暖かい表現力豊かな調子。自分の声の調子を意識する。しゃべりすぎてはいけない。できるだけ相手の話題を変えたり、さえぎったりしない。
 リラックスしてやや前傾になり、相手への関心を示す姿勢や言語は、交流分析で言うNPを使うことになります。

 コールド・リーディングでは「意識のコントロールによる演技をすることが、自他にとって正しく、かつ賢明な方法である」のです。
 心理学で、フレンドリーサポート(友好的な支持)と言う技法があります。
 職場環境によるストレスに悩んでいる相手に、上司としてその身の上話を聞いても、自分ではどうしてもやれないという無力感と罪悪感を感じることがあります。
 相手も、上司の力の限界に対する不満を受入れて、それ以上、深入りせず、暗黙の諒解が成立します。
 これが成り立つと、それ以上心理的なことはふれあわなくても、その後、顔を合わせたとき「無言の言葉」を理解しあっているのだという、暖かい交流が持続するものです。
 部下は、自分の深刻な人生相談やそれに対する気持ちを自分が信頼する上司に判ってもらっているというだけで、実際にはどうにもならなくても、以前よりはずっと安定した心境になれることが多いのです。

 人の話に頻繁にうなずかない。その分、うなずく時はゆっくりと深くうなずいて見せる。
 緊張と緩和を交互に使い分ける
「受け入れてもらった」方が「従」で、受け入れてあげたほうが「主」の関係。

「受容的態度」を示す
 先に、「受け入れてもらった」方が「従」で、受け入れてあげたほうが「主」の関係になりますと述べました。
 まずは相手を肯定して受け入れるのです。
 人は誰しも「理解されたい」「受け入れてほしい」と思っています。潜在意識では、「受け入れる」ということは、つまり相手より大きいことを示します。リーターシップを発揮するには、まずは相手を受け入れるところから始まります。

 あなたが部下に納期の厳しい仕事を依頼しました。
 部下から「そんな納期ではムリです」といわれた時、次の二つの答え方があります。 ①「そうだな、ちょっと厳しいか。でも、できるところまでやってくれないか」
②「そうだな、ちょっと厳しいか。だから、できるところまでやってくれないか」
①の「でも、しかし」という言葉は相手を否定したことになります。
②のように「だから/そして」に替えてみますと、これだけで、部下の受ける印象は違ってきます。潜在意識では「わかってくれた、受け入れられた」となるのです。

 先に述べましたが、「意識ではっきりととらえているものよりも、潜在意識にすっと入ってくるもののほうが、より大きな影響を心に与える」という法則を使って、包み込む目、余裕の表情で、「自分はあなたを信じているよ」「君ならできる」という態度で接するのです。
 それから、しゃべりすぎはいけません。しゃべりすぎては発言が軽くなり、聞き方も雑になります。
 自分のなかで考え抜き、煮詰めた話を短い言葉でわかりやすく、心持ちゆっくりと話すのがコツです。
 これもコールド・リーディングのテクニックです。
短い言葉でわかりやすく、心持ちゆっくりと話す
 否定の言葉を使わないでください。
「しかし~、でも~、できません、やれません、ダメです」
 言葉は思いを伝えるエネルギーです。マイナスの言葉は相手に不快感を与えます。
 プラスのエネルギーを与えて、部下に勇気を与えることが、上司の務めです。
人の感情は、おもに、快楽と、恐怖から形成されています。人を説得し動かす基本は、快楽を与え、恐怖をなくすことです。 
 それでは、相手は何に恐怖を感じているのか。 恐怖と不安の正体は、なんなのか。以下のような事が考えられます。
  邪魔者扱い 、 孤独
  見慣れぬもの 、 人生からの落後
  悪い習慣が破れない 、 期待はずれの生活
  愛するものを失う 、 あらゆる種類の損失
  批判と不賛成 、 プライバシーの侵害
  退屈 、 悲しみと心の傷
  経済上の不安定 、 人に利用される
  馬鹿にみられる 、 個人的情熱と感情
  人がよりつかない 、 弱さと不完全
  骨折り損 、 愛の喪失

これが恐怖の正体です。だから、このような恐怖や不安を取り除いてあげるのです。
 部下をありのままにみることができれば、この正体がなんであるのかがよく分かるようになるはずです。


No,2 相手のペースに気をつける 

「ペーシング」を使う
 話し方や表情、しぐさを相手に合わせることを「ペーシング」と言います。相手のペースに合わせるのです。言葉の意味や内容だけでなく、声の抑揚、イントネーション、話すスピードやテンポ、そして表情や雰囲気など。
 こうしたペースを合わせてあげることで相手は「ああ、この人はちゃんと自分を受け入れてくれているな」と感じさせることができます。
 ペースを一度合わせると、今度はお互いにその状態が心地よくなってきます。すると、こちらが少しペースを上げたり、方向を変えたりしても、相手がそれについてくる、といったことが起ります。
 それまで、相手がずっと、深刻な話をしていたとします。こちらもペースを合わせて、深刻な表情をし、重い声で返事をします。 そうしてペースが一致してきたとき、こちらが、 「そうだね。でもこうゆうプラスの面もあるよね」と明るい方向に話を持っていくと「まあ、そうゆうこともあるよね」とついてきたりします。
 自分が相手に合わせているにもかかわらず、相手もこちらに合わせてくれるようになるのです。つまり、心地よい状態を維持しようとする力が出で来るわけです。
 だだし、顔つきや声の抑揚を大げさに相手に合わせて、相手に気づかれてはいけません。また、話の方向を変える場合も、あまりに極端に転換すると相手がついてこれなくなります。
話し方や表情、しぐさを相手に合わせる
 相手の話すことをよく聞く方に回ると、次のメリットが出てきます。我慢して聞く側に徹することです。
(1)聞けば情報が入る(相手が何を考えているかがわかる)。
 相手のニーズがつかめる。
(2)聴くことで仲良くなれる(相手との共通面に焦点を合わせる)。
 共感ゾーンが広がり、良い人間関係がつくれる。
(3)相手が自己満足する(人は話すことによって心が癒やされる)。
 徹底的に相手のことを話題にし、優越感、自尊心を満たしてあげるようにする。
(4)相手の人間性がわかる。
 積極的か消極的か、優しい人か厳しい人かがわかり、今後の対応のヒントが得られる。
(5)適切な質問によって、相手の問題を解決するイメージを与えることができ、信頼されるようになる。


No,3 言葉づかいに気をつける 

正しい「質問」の仕方
 いろいろなケースについて正しい答えがあったとしても。状況や対象が変われば、それはもう正しい答えではなくなってしまいます。
質問する場合は「正しい質問」をする必要があります。「正しい質問」とは、結果につながる質問である必要があります。

 未来を作るのであれば、過去を聴かずに未来を聞かなければなりません。
 現実を知ろうというのであれば、推測や思い込みを聞くのではなく、現実を聞かなければなりません。もちろん、答えの出ない質問は、質問とはいえません。
 適切な質問をすれば、相手の問題を整理し、方向付け、解決に向けて導くことができます。そのために、正しい質問の技術を身につける必要があります。
言い訳と弁解をつくる間違った質問

①「なぜできなかったのか」

上司と部下の会話です。
上司 こんな簡単なことが、なぜできなかったのか。
部下 実は他の仕事が思ったより忙しかったものですから。
上司 他の仕事と言っても、この件以外はたいした仕事はないはずだ。
部下 ちょっと、体調も悪くて・・・。
上司 言い訳ばかりしてるんじゃない。
 これでは何も解決しません。
 なぜなら、最初の「なぜできなかったのか」という質問が、適切ではなかったからです。
 「なぜできなかったのか」という質問は、できない理由、言い訳を引き出す質問です。
 ですから、相手はどんどんできない理由をあげていきます。その結果、一理あるようないい訳が出てきて上司が譲ったりすると、部下は心の中に「何もできない壁」を創り上げ、その中に留まってしまいます。
 この質問は、できない壁を作り上げる手伝いをしているようなものなのです。
 一方、部下の側にしてみれば、できない理由をいわなければならない質問をしていながら、言い訳をすれば、「言い訳をするな」と叱られるわけですから、たまったものではありません。

「どうすればできるのか」

 この場合の正しい質問は、「次にやるときは、どうすればできるのか」という質問の仕方です。
 できなかった理由を尋ねているわけではないので、言い訳はできません。
なおかつ、どうすればできるかを自分で考え、結論を出し、それを言葉にして、いったことは責任を持たなくてはなりません。

プラスを生まない間違った質問

②「なぜしなければならないの」

 たとえば子供が、「なぜ勉強しなければならないの」と聞いてきた場合、まともに答えようとすると、ムチャクチャになってしまいます。
親「いい大学に入って、いい会社に入って・・・。」
子供はウソをすぐ見抜きます。
親「将来、自分の夢を実現したり、やりたいことがやれるように・・。」
子「それなら、お父さんはどうなの?」
改めて聴かれると困ってしまいます。
 実は、この質問自体が間違いです。勉強は義務ではなく、権利だからです。
この場合の「正しい質問」は、「今、勉強すると、どんな素晴らしいことがあるの?」というものです。これなら、説得力のある答えをすることができます。
「なぜ、友達を作らなければならないの?」
これも間違いです。
「友達を作ると、どんなステキなことがあるの?」が「正しい質問」です。

 友達を作らなければならないから作るのではなくて、作りたいから作るのです。
「なぜ、仕事をしなければならないのか?」
「なぜ、人にやさしくしなければならないのか?」
なども、みんな間違った質問です。

 正しい質問は、
「仕事を一生懸命すると、どんな素晴らしいことがあるの?」
「人に優しくすれば、どんなよいことがあるの?」

というものです。

事実を把握する正しい質問

③「何があったの」

 日本では、「なぜ?」という質問は、否定される時、叱られる時に使われます。
「なぜ、こんなことをするんだ?」「なぜ、やらないんだ?」などと、理由を尋ねる疑問詞ではなく、否定語になっています。
だから、「なぜ、遅刻したんだ?」と言われると、すぐに否定され、責められていると思うので、「電車が遅れて・・・。」などと、自分を守るためにウソをつき始めます。
だから、「なぜ?」ではなく「何があったの」と質問しなければなりません。
「なぜ?」は、空想・推測に過ぎませんが、「何が」は事実か、あるいはその人の認識です。
「何が起ったのか?」「何があらわれたのか?」
結果を生み出すためには、こうした質問によって事実を把握することが大切なのです。

抽象的であいまいな質問

④「会社を明るくするには、どうすればいいですか?」

 これは、「みんなで明るい会社にしましょう」と言っても、できるものではありません。
逆に「明るくなる」とは具体的にどのようなことですかと質問します。
「コミュニケーションを大切にする組織にするには、どうすればよいでしょうか?」という質問や、「社員に愛社精神を持たせるには、どうすればよいか?」などという質問では、何も生み出すことができません。結果がでてこないのです。
「コミュニケーションが良い組織とは、具体的にどういう状態ですか?」
「社員が何をすれば、愛社精神を持っていると思うのですか?」
このような具体的な質問をすれば、アイデアが生まれてきます。
「会社を明るくすることで何を作りたいのですか?」
「明るくなれば、みんな意見を言い始めるでしょ。」
「意見を言い始めるとどうなるのですか?」
「もっと業績が伸びるかもしれません。」
「業績が伸びるとどうなるんでしょうか?」
「みんなの暮らしが安定して、社員も家族も幸せになるでしょ。」

モチベーションを生み出す正しい質問

⑤「何があればやる甲斐があるか?」

 人はゴールがわかっていれば頑張れますが、ただ、頑張れといわれても頑張れるものではありません。モチベーションを生み出すためには、「その先に何があればやる甲斐があるのか?」と質問しなければなりません。

「あなたは何のために仕事をしているのですか?」
「給料をもらうために決まっているではないですか。」
「何のために給料をもらうのですか?」
「給料がなければ、生活できないでしょ。」
 これでは、本人にどんどん負荷がかかってしまいます。

「あなたが一生懸命働いて稼げば、誰が喜ぶのですか?」
「自分もうれしいし、家族も喜びます。」
「家族が喜ぶことは、あなたにとってどんな意味があるのですか?」
「自分も、一家の主として自信がつきますし、自分は必要とされていると感じることもできます。」
「それなら、働く甲斐がありますか?」
「もちろん、あります。」

 このように質問すれば、家族に負担を感じている会話から、家族のために働き甲斐を感じる会話へと変わってきます。
「この仕事ができれば、いろいろとよいことがあるかもしれないね。」
「そうですね。自信がつきますし・・・。」
「ちょっと優越感に浸れますね。」
こんなふうに、よいイメージが出てくると、モチベーションがあがります。
可能性が見えれば、人は力がでてきます。


No,4 やる気を出させる 

アドラー心理学より「やる気の心理学」
 「やる気」とは、積極性とか、自発性とか、生きる力とかだと思いますが、アドラー心理学では、少しニュアンスが変ですが、"勇気"(カレッジ)と言っています。
 人間は潜在的にやる気があります。
 やる気をださせるとは、相手を勇気づけることです。


 人は、潜在的に働くのが好きで、潜在的に勤勉で、潜在的に勉強が好きなのです。だから放っておくと、かなりよく働くものなのです。

 会社に入ったばかりの新入社員の目は、キラキラ輝いています。
 それが何ヶ月かすると、やる気があるのかと叱られています。それは、「やる気」がなくなったのではなくて、それをうまく引き出してやることができなかった。もっと正確に言うと、引き出さないように働きかけるような、心理学的に言いますと「勇気くじき」をした結果なのだと思います。
 今の若い人たちにやる気がないとしたら、それは子供の頃からの長い体験で、「勇気くじき」を繰り返し繰り返し、たくさんやってこられたからだと思います。
 だから、やる気をださせるとか、やる気をもたせるという問題ではなく、いかに本来もっているやる気を、うまく導き出すかということだろうと思うのです。

 部下が失敗をしたり、問題を起こしたり、言う事を聞かなくても、「自分の指導の仕方が悪かった。管理能力がない。」などと自分を責める必要はありません。
 要するに、部下の能力、性格が悪かっただけですから。(笑)
 部下の行動や性格を、上司が自由自在に変えられると思わないほうが良いのです。

 まず、部下が失敗したら、「ああ、この子はバカなんだ」とまず思うこと。(笑)
すると楽になります。
 それで大切なことは、そのおバカさんをどう援助するかということです。
 過ぎ去った失敗を反省するのではなくて、自分の対応の仕方を変えることできっと部下は変わっていく。すぐには変わらないけれども、少しずつ必ず変わっていきます。

理想の部下はいない
 会社にとって、上司である自分にとって理想の部下から、現実の部下を引くと、欠点ばかりが見えてしまいます。
 上司が思っている理想の部下は、どこにもいつまでたってもいません。いるのは現実のこの部下だけです。

上司の好みをまず捨てる。
 上司がそれを好きだから、嫌いだからと言うことで部下を評価して、「それはいけない」「それをやめなさい」「はやくしなさい」と言わないでください。

判断の仕方を変えましょう。
 部下を育てるということは、会社に迷惑をかけない一人前の社員になってもらう。さらに、会社の役に立つ社員になるのが目標です。
 だから、上司は新入社員には、「人に迷惑をかけないで、会社の役に立つ」ということを絶えず教えなければなりません。
 迷惑をかけないことと、バカと言われたり、能力がないと悪く評価されることとは違います。
 つまり、人に迷惑をかけなければ、悪く言われても良いのです。人から「お前はバカだ」と言われて、自分の知能指数が下がることは決してありません。
逆に「あなたは頭がいい」と言われても、自分の知能指数は上がりません。

自分の本質は、他人の評価で変わることはないのです。

マイナスの言葉かけをやめる
 部下が臆病になって「やる気」を失う原因は、人が自分のことをどう思っているかを気にすることです。上司の視線ばかりを気にしています。
 上司が自分のことをどう思うかなんて気にしなくていいのです。自分が正しいと思う事をすればよいし、自分が会社の役に立てるようにと考えて行動すればよいのです。

 上司は、自分の価値観(要するに好き嫌い)を部下に押し付けないでください。そうすれば、部下にプラスの言葉をかけることができるようになります。
 「それはいけない」「それをやめなさい」「はやくしなさい」というマイナスの言葉かけを続けるとどうなるでしょうか。
 最初に毒ガスの元栓を締めること。
 やる気を育てるためには、まずやる気をくじく言葉かけをやめて下さい。悪い言葉をかけるくらいだったら、何も言葉をかけないほうがよいかもしれません。うるさく言わずに、ちょっと離れてまず観察してみる。だいだい、ひまな上司ほど、部下の仕事に口を出します。
その上司の口ぐせは「忙しい、忙しい。」(笑)

勇気づける
 部下を叱ることはよくありません。悪い行動を叱ることは、ほとんど上司の価値観から出たものですから、悪い行動を減らそうと思わないことです。それよりも、いい行動を増やそうと考えてみてください。いい行動をしていると、当然悪い行動をしている時間が減っていきます。
 人間は、いい言葉をかけられだり、承認されたり、受け入れられたり、ほめられたりすることが大好きです。だから、人から認められたいとか尊敬されたいと思います。
 それがたまたまダメになったとします、
 「どうも自分は人から受け入れられない、認められない、尊敬されない」と思うと、それはそれでいいやと割り切れるかというと、絶対に割り切れないものなのです。
 それだったら、叱られようとか、拒否されようとか、軽蔑されようと思うのです。
 悪いものでもいいから、みんなと関係あるほうが、ぜんぜん関係ないよりいいと感じるのです。
無視されるより、嫌がられるほうがまだましと考えてしまいます。
(交流分析マイナスのストローク)

 悪い行動をする人は、悪いと知っていてやっています。
 万引きをした子に「実は、万引きは悪いことなのだよ」と言ったら「それは知りませんでした。もうやめます」とは言いません。
 大人が、その子に注意をして、それでも悪いことをやめなかったら、「あいつはなかなか根性がある」と悪仲間から尊敬されているかもしれません。だから悪い行動がある時に、その行動をつぶそうと動けば動くほど、エサをあげているのと同じです。どんどん悪くなっていきます。
 だから、悪いほうはひとまず放っておいて、いい行動をとにかく増やしていこうとするのです。
 叱るという行為は、無意味です。

 では、どうすればよいかと言うと、部下を勇気づけるのです。
 ほめることではありません。
 ほめられて仕事をすると、上司にほめられるために仕事をするようになります。叱られないために仕事をするよりはましかもしれませんが、自分のために仕事をするのではないのですから、本当の「やる気」とは違います。
 勇気づけるとは、難しい技術ですが、次の二つの言葉を使ってください。
 それは、「ありがとう」と「うれしい」という言葉です。

部下が仕事を取って帰ってきた時、
「いい仕事をしたね。ありがとう。」と言えますか。
「いい仕事をしたね。私もうれしいよ。」    →「承認」のIメッセージ
「きみがうれしそうだから、わたしもうれしいよ。」
 部下のプラスの部分に注目し、部下にプラスの言葉をかけて勇気づけれるようになると、初めて上司と部下は本当に対等の関係になり、本当に協力できるようになります。
 あなたの存在が、会社の役に立っています。ありがとう。
これを存在の承認と言います。




No,5 褒めるときには「拡大解釈」で! 

メンバーを褒めるときには「ズームアウト」して褒める。
 心理的優位に立つコールド・リーディングのテクニック

 私がよく使う方法は、拍手をしながら、「おめでとう」ということです。オーバーアクションぐらいでちょうどいいと思います。
これを私は「みなパチ」(みんなでパチパチとほめる)と名づけました。次の章で説明するコーチングでは、存在の承認とも言います。

叱るときには「ポイント」だけを!
叱るときには、できるだけ「ズームイン」して叱る

 事実を叱るだけでいいのに、「お前はいつも・・・。」と決め付けたり、以前にあったことを繰り返して言ったり、叱っている人の感情を言ったり、余計なことは言わないでください。
 そして、注意しなくてはいけないのは、"言葉だけで"はなく"行動・振舞う"ことが大切だということです。

自己暗示" をあなどるなかれ
 自分に言い聞かせることが、自己暗示と考えている方も、多いのではないかと思いますが、行動すること、らしく振舞うことこそ"自己暗示"となります。
 しかし、"自己暗示"をあなどるなかれ、イメージして演じることで、夢が実現できる確率は明らかに上がるのです。

 女優は、私は女優であると思うことで女優らしくなります。
 私は、プロであると思うことで、プロらしい振る舞いができるようになります。
 何よりも思い込みが自分を創ります。
「私は晴れ男です。」「私は運がいいと思っています。」

 人生を素晴らしいと思っている人は、素晴らしい人生を送ることができます。だってその人は人生を素晴らしいと思っているのですから。
 人生はつまらないと思っている人は、つまらない人生を送ることになります。だってその人は人生をつまらないと思っているのですから。


「ジンクス」は潜在意識を活性化させる
 ジンクスと承知の上で、赤いパンツをはいたり、とんかつを食べたりするほうが、ずっと無理なく潜在意識を動かすことができます。
 見かけだけの自信であったとしても、そのように演じるのです。
 リーダーシップ持つことは、揺らがない、自信たっぷりの態度で接しなければならないということです。ちょっとでも揺らいだら、逆に隙を与えてしまうことになります。


No,6 立場、ポジショニング 

態度・雰囲気をつくるサトルティ
 私たちはよく、「俺の右に出るやつはいない」という言い方をします。
 右というのは「我」を象徴しており、潜在意識的には「右」というのは、「より優れたもの」を象徴しています。
 人は無意識に自分の右側にいる人に従いたくなります。

 もちろん、この「サトルティ」が100%であるとはいいませんが、無意識に動いてしまうのです。自分が相手をリードしたい時は、右側に来ているし、相手にリードさせたい時は、左側に来ています。

 あなたは、どちらが落ち着きますか。考えてみると自分の性格がわかります。
 イスに座って、相手を説得するときは、、相手を左に座らせます。
 この時点で、心理的優位に立つことができます。
 相手の不安や悩みを聞いてあげるときは、さりげなくこの席に座り、相手をリードしてあげます。

 対面に座ると、それだけで緊張関係が生まれますから、ちょっと右側にずれて、座ります。
 お互いに相手を左に見て話しますから、対等な関係の話し合いになります。
 相手が「我」の強いタイプでしたら 「右」を与えるのも、賢いやり方です。

「握手」の使い方
 言葉や振る舞い、アイコンタクトはごまかせますが、隠したつもりの本心は手の動きに如実にあわられます。しきりと手を組んだり、指でせわしなく何かを触っているのは、不安や焦りの感情です。
 相手の手の動きに注意を払らって観察してください。うそをついていたり、自意識過剰になっている人は、たいてい、耳に触れたり、首や顔を拭いていたりしているはずです。

親しみを強調しながらも主導権を握る握手とは?
 握手も、「相手を包み込むように」するのがコツです。
 握手をするとき、相手の掌と密着する程度の力を入れながら、お互いに握り合った右手に、あなたの左手を「上から」乗せるのです。上から乗せることによって、あくまでもあなたが主導権を持つ立場にいることをさりげなくアピールすることができます。
 政治家が選挙の時などによく使います。肩を叩く場合もあります。あくまでも自分の主導権をアピールしたいという潜在意識から出ています。

「挨拶のしかた」のテクニック
 講座を始める時に、挨拶をします。生徒が「よろしくお願いします」と挨拶をした後、講師が「よろしくお願いします」と挨拶をします。この時間差によって、あくまでもあなたが主導権を持つ立場にいることをさりげなくアピールすることができます。
 生徒と講師の立場の違いを潜在意識に認識させます。上司と部下の場合も同じです。

 同時に挨拶してはいけない
 最初が肝心です。ちょっと間をあけて挨拶するぐらいでちょうどいいと思います。意外と重要なテクニックですから是非覚えてください。

 ある小学校の教師は、高いところから挨拶するのが嫌いで、「友達感覚を大切にしたい」と教壇から降りて挨拶していました。タイミングも生徒と同時にお辞儀していました。
 一見正しいようですが、教師としての威厳が保てないので、教室がザワザワと騒がしく、授業の緊張感がなくなり、教師の話を聞かない雰囲気が出来上がってしまいました。
 いい先生なんですが、教師としては失格です。
 教え、指導する仕事に対しての自信のなさが、無意識に「友達感覚を大切にしたい」とか「生徒の自主性を尊重したい」という考えになっていたのです。
 上下関係は、正しい人間関係だと思います。
 立場をわきまえて挨拶の仕方を変えてください。


No,7 感動の法則 「承認」 

人を動かす究極のコーチング
 どのようにすれば、人は自主的に行動を改善するのでしょうか?
 人を動かす秘訣は、間違いなく一つしかありません。
 みずから動きたくなる気持ちを起こさせること---これが秘訣です。

 そのためには、相手の欲しているものを与えるのが、唯一の方法です。誰もが最も欲しているもの、人間の持つ最も根強い衝動は、「重要人物でありたい」という欲求なのです。これを満たしてやるのです。
 相手に重要感を持ってもらうために、コーチングでは「承認」というテクニックを使います。

 承認とは、相手の存在を認める行為です。
 そして、承認を言葉で伝える場合、次の3つの立場があります。

1.YOUメッセージ 「あなたは○○だね」と、相手のことを伝える伝え方です。
2.Iメッセージ 「あなたが○○したことで、私はこんな影響を受けました」
3.WEメッセージ 「私たち」が受けた影響を伝えるものです。

 「承認」は、相手の自己重要感を高め、相手を勇気づけ、相手のやる気を引き出します。
 そして、「承認」を使うことで、相手と自分の間に豊かな人間関係を築くことができます。

●承認の3つのパターン

◆結果を伝える承認◆事実を伝える承認◆気持ちを伝える承認
その人が作り出した結果に対して褒めることを言います。
「100%達成おめでとう」
「すばらしい結果だ」
「合格おめでとう」
「よく達成できたね」
相手の成果や成長、プロセスを褒めることを言います。
「昨日は遅くまで頑張っていたね」
「資料もしっかりそろっているね」
「報告ありがとう」
「準備もばっちりだね」
「ヘアースタイル変えたんだね」
相手の行動や、やった事が(あなた)にどんな影響を与えたかを伝えます。
「あなたにお会いできて嬉しいです」
「あなたがいてくれるお陰で、とても助かります」
「君の頑張りがとても励みになるよ」
「今日も元気な挨拶にパワーが出るよ」
 承認には、上記のように結果、事実、気持ちを伝える3つのパターンがあります。

1.YOUメッセージ

おめでとう、さすが         営業所もたすかるよ
よくがんばってくれたね!      君は仕事ができるね
やればできるじゃないか!      君だったらやってくれると思っていた!
来月もこの調子で頑張ってくれ!   頼りにしてるよ!


 YOUメッセージとは、「あなたは○○だね」と、相手のことを伝える伝え方です。
 例えば、「君は仕事ができるね」「よく頑張ったね」「あなた、いい子ね」などです。
 このYOUメッセージは、相手によっては「承認」として機能しますが、相手によっては受け入れないこともあります。
 例えば、「自分はダメだ」と思ってる相手に、「君は仕事ができるね」と伝えても、相手は受け入れないわけです。また、このYOUメッセージは、上から下へ発せられるメッセージです。

 つまりメッセージを発する側が「評価する人」で、受け取る側が「評価される側」になるわけです。ですから、社員が経営者に対して、YOUメッセージで、「社長、いい仕事されますね。」とか「社長、よく頑張りましたね。いい経営者ですね。」と言うと、どこか失礼な感じがします。

 YOUメッセージは、対等な関係のメッセージではないからです、
 YOUメッセージも、時と場合に応じて適度に使うといいのですが、承認がYOUメッセージにかたよるのは、好ましくないと言われています。なぜなら、YOUメッセージで人を育てると、その人は「他人からの評価」を気にし過ぎる人になりやすいからです。
 YOUメッセージで育った人は、人に認めてもらうために頑張るようになってしまい、自分らしい生き方を見失ってしまいがちになる傾向があります。
 例えば、「あなた、いい子ね」というYOUメッセージは、交流分析で言う「条件付きストローク」になってしまいます。子どもは、条件付きストロークばかり与えられて育つと、自分に自信が持てない子になりやすいのです。
2.Iメッセージ
 おめでとう君の頑張りに僕もやる気がでるよ!
 いつも遅くまで頑張っていた結果が出たね!僕もうれしいよ!
 何度もお客様のところに足を運んだ結果だね!僕も頑張るよ!
 君はお客さんに安心感を与えるんだね!ぼくも君の話を安心して聴けるよ!

 Iメッセージとは、「あなたが○○したことで、私はこんな影響を受けました」というメッセージです。

 例えば、「君の仕事ぶりを見ていると、こっちもやる気が出てくるよ」
 「今日の会議での君の発言、ありがたかったよ」
 「君がうちのチームにいてくれて心強いな」
 「あなたの、あのひと言で、勇気が湧きました」

 YOUメッセージでは、相手が受け入れてくれない可能性がありました。
 例えば、
 自分「今回の君の仕事は素晴らしかったよ。」
 相手「そんなことありませんよ。自分では満足できてないんです。」
 ところが、Iメッセージは、こっちが実際に受けた影響を伝えるわけですから、相手が否定してくることがありません。

 例えば、「君の仕事ぶりを見ていて、こっちもやる気が出たよ。」って言った時に、相手が「そんなことはありません。」と拒否することはないわけです。
 そして、このIメッセージは、相手の心に長く残りやすく、相手に与えるインパクトも大きいのです。

 「人は、どこか深い部分では、自分がどのように他人に影響を与えているのか、聞いてみたいと思っているからです。自分の影響が確認できるということは、自分の存在価値が確認できるということであり、この社会の中における自分の居場所を明確に認識するようなものです。だから真剣なトーンの『I』は、とても強く人の心に届くのです。」

 ある会社のトップ営業マンの方が研修の中でおしゃってたんですが、今までもらった承認の中で最も印象に残っているのは、会社の社長さんから「君のような社員がいてくれることを、誇りに思っているよ。」と言われたことだそうです。ムチャクチャ嬉しかったのと同時に、やる気が倍増したそうです。

 上司が部下に伝えてもいいし、部下から上司に伝えるのもOKです。
 (例:社員と経営者の会話)
 社員「朝礼の時の社長のスピーチ聞いて、感動しました!」
 経営者「君のように熱心に聞いてくれる社員がいると、スピーチに熱が入るよ」
 どちらもIメッセージで承認し合っています。

3.WEメッセージ
 君の頑張りが、支店全体を活気づけてくれた!ありがとう
   君の結果が、みんなの励みになるよ!

 WEメッセージというのは、「私たち」が受けた影響を伝えるものです。
 「君がうちの課に来てくれてから、課の雰囲気が明るくなったよ。」
 「君のやる気のおかげで、僕たちはずいぶん刺激をもらってるな。」

 これも、Iメッセージ同様、相手の印象に残りやすいメッセージです。
 私のよく使う方法が、「みなパチ」です。
 皆でパチパチと拍手をするのです。
 「皆さん、○○サンが、見事やり遂げたそうです。」「おめでとう。」パチパチ。
 本人にとっては、照れくさいことですが、本当に効果があります。職場の雰囲気がずっとよくなるのです。



言われて最高に嬉しいYOUメッセージ 


①プロセスに対する承認
 言われると最高に嬉しいYOUメッセージの1つ目は、「プロセスに対する承認のYOUメッセージ」です。
 ビジネスの世界でも、教育の世界でも、「結果に対する評価のYOUメッセージ」をもらうことは多いのですが、一方、プロセスが見過ごされることも多いのではないでしょうか?
 そこで、プロセスにしっかり焦点を当てて、そこを承認してあげることは、とてもインパクトがあります。

 たとえば、上司が部下に・・・
 「大型受注おめでとう!根気よく先方に通い続けた君の努力が実ったね。」(後半の部分がプロセスに対する承認です)
 部下は、「自分の頑張りを見ててくれたんだ」と感じ、さらに頑張りたくなるかもしれません。
 また、このプロセスに対する承認は、結果を出せなかった部下に対しても使うことができます。
 「今回は、受注が取れなくて残念だったね。先週から毎朝早く出社して、提案書作り頑張ってたのにね。」
 結果を出せなくて落ち込んでた部下も、プロセス(行動)を承認されることで、「また頑張ろう」という行動意欲がわいてきます。

②強みや長所に対する承認
 さて、言われて最高に嬉しいYOUメッセージの2つ目は、「強みや長所に対する承認のYOUメッセージ」です。

 これは、日ごろから相手をよく気にかけて、相手の強みや長所を発見し、それを率直に伝えてあげるメッセージです。
 「偉いね」とか「すごいぞ」とかのYOUメッセージと違って、こっちから見て気づいた相手の強み・長所を、具体的に伝えてあげるのが特徴です。

 「君はチームのムードメーカーだね。」
 「君は、新人たちから見て、相談しやすい雰囲気を持っているようだね。」
 「あなたは、難しい話を分かりやすく説明するプロですね。」
  理想的には、これらの後に、Iメッセージもつけると最高です。
 「君がチームにいてくれて頼もしいよ」とか「助かってます」とか。

 一番のポイントは、「承認は小手先のテクニックではなく、こちらの思いが伝わる」ということです。承認のメッセージは、相手の人格を尊重し、敬意をもって使う!これがすべてだと思います。

 存在に対する承認 交流分析で言う「無条件のストローク」

 女性社員に対する接し方に自信がなかった、ある課長さん(Aさん)のお話です。
 この方は、年齢は30代の後半なんですが、ご自分の課には若い女性社員が多く、彼女達とのコミュニケーションに苦手意識を持っておられました。とてもさわやかな雰囲気の方で、そんな風には見えなかったのですが・・・

 Aさん「自分なりに、彼女達のことをほめたりして、仲良くなろうとしているんですが、どうも嫌がられている気がして・・・」
私  「どんなふうにほめるんですか?」
 Aさん「例えば、髪型を変えた子がいると、『おっ、その髪型すごくいいねえ。バッチリ似合ってるよ。その髪型、なんていうの?』って言ったり、それから、『今日の服はオシャレだね。君のイメージにピッタリだねー。』とか、・・・」
私  「なるほど。ほんとに、そう思って言われてるんですか?」
 Aさん「いやいや、女性の髪形とか服とかは、正直言って、興味ないし、よく分かりません。」

 さすがに、これでは嫌がられるのも無理はないです。
 そこで、私はAさんに、『いい』とか『おしゃれ』とか『素晴らしい』とかの評価を加えずに、気づいた事実だけを伝えることをおすすめしました。
 もちろん、女性社員に対してだけでなく、男性社員にも。
 「髪形変えたんだね。」
 「今日は紺のネクタイだね。」
 「最近、朝早くから出社してるね。」
 それがいいとか悪いとか、そんな評価は加えずに、ただ気づいたことをひと言伝えるだけ。  その後、Aさんから、次のような報告をいただきました。
 「ほめるより、ずっと言いやすいし、自然な会話につながります。特に女性社員との会話がスムースにできるようになりました。」

 このように、気づいたことをそのまま伝えるだけで、承認のメッセージになります。
「あなたのことを気にかけていますよ」「あなたのことを大切に思っていますよ」というメッセージになるわけです。

 相手の存在を認めているからこそ、相手の変化や様子に気づくのですから。
 逆に、相手の変化や様子にまったく気づかないとしたら、「あなたのことを気にかけていませんよ」と受け取られてしまいます。

 これは、相手の存在そのものへの承認(=存在承認)なのです。いろいろな場面で使ってみてください。
 家庭で、配偶者や子どもに。
 職場で、上司や部下や同僚に。

(1)あなたの身近な人を3人選んで下さい。
(2)その人を観察して、その人が最近どんな変化をしたかを意識してみてください。
(3)何か気づいたら、その人にさりげなく伝えてみてください。

「存在に対する承認」(無条件のストローク)とは、相手を一人の人間として大切にし、相手の存在を認めるコミュニケーションの方法です。
 相手のことを名前で呼んであげる。これも相手の存在を認める行為です。

 ある社長さんは、コーチングの研修を受けられて以降、毎朝社員さんに挨拶される時に、 次のように名前を呼んで挨拶するようにされました。
 「鈴木君、おはよう。」「田中さん、おはよう。」
 すると、社員さん達から帰ってくる挨拶も変わったそうです。
 「笑顔で、こっちを向いて挨拶してくれるようになりました。朝の会社の雰囲気が明るくなりました。」とのこと。
 名前で呼ばれて挨拶されると、自分が一人の人間として大切にされてる気がするんです。

人はストロークを求めて生きる(交流分析より)

 ある銀行の支店長は、新入社員の中に、知能は優秀でありながら、緊張が激しくて、なかなか職場の人間関係になじめない人が毎年見つかるので、これを何とかしたいと考えていました。
 そこで、社員との人間関係をはかる意味で、業務日誌を書かせ、個人的な悩みなどがあれば、そこに付け加えてもよい、と指示してみました。しかし、実際には支店長としての時間に制約があるので、いちいち日記の細かい部分までは読む余裕はありませんでした。そこで、 ざっと目を通したあと、小学校の先生がやるようにノートに赤インクで三重丸をつけ、サインをして、返すことにしました。
 ところが、これが思わぬ結果をもたらしたのです。
 「支店長がわざわざ私の日記を見てくれる」ということが、不安な日々を送っている新入社員にとって大きな心の支えになったのです。この方法を用いるようになって、入社後一年以内に退職してしまう人がまったくなくなってしまったのだそうです。

 まずは、承認してもらう前に、自分から相手に、どんどん承認をしてみましょう。
やりやすいものから。
 出張に行った人が、家族や職場の人のためにおみやげを買って帰ったりするのも、「家族や職場の人を喜ばせたい」という思いが入っていれば、立派な「存在承認」の行為です。
 こんな、ちょっとしたことからやるのもいいと思います。承認は、単なるスキルやテキニックではなく、自分の気持ちが乗っかって初めて、相手の心に伝わります。

承認の土台になる3つの能力

 これは幸せな成功者になるための能力でもあります。
①感謝する能力
 承認の土台になる1つ目の能力は、「感謝する能力」です。相手に感謝できると、自然に相手を承認したくなります。
 では、感謝する能力とは何でしょうか?
 それは、「当たり前のことがありがたい」と思える能力なのです。
 あなたの身近な人を一人思い浮かべてください。
 その人がいてくれることで、あなたが受けている恩恵は何ですか?
 もしかしたら、計り知れない恩恵があるかもしれません。
 病気になった時に、「健康がいかにありがたいものか」に気づきます。
身近な人を亡くした時に、「その人の存在がいかにありがたかったか」に気づきます。

②尊敬する能力
 2つ目の能力は、人を「尊敬する能力」です。
 私は会社に就職したばかりのころ、「自分の周りには、尊敬できるような人はいないなー。」なんて思っていた時期がありました。しかしそれは、私の能力の問題だったのです。 私に、人を尊敬する能力がなかったのです。
 また、身近な人を一人思い浮かべて下さい。
 その人の「尊敬できるところ」を5つ探してみてください。
 もしあなたが、今までその人のことを十分に尊敬していなかったのであれば、その人のことを見直したのではないでしょうか?
「尊敬」は英語で「respect」
 これは、re(再び)spectare(見る)、つまり「見直す」という意味だそうです。
その人のことを、これまで見ていた視点とは別の視点で見る。その人に対する尊敬心が強まります。
③愛する能力
 3つ目の能力は、「愛する能力」です。「思いやりの能力」「与える能力」とも言えると思います。

 まず、あなた自身に感謝し、あなた自身を尊敬し、あなた自身を愛することを始めてください。
 もしあなたが、周囲の人達の自己重要感を満たすことができる存在になったら、あなたの人生は、刺激的なまでに楽しくて豊かなものになります。
それは、あなたの周囲が味方だらけになるからです。(敵がいなくなるという意味ではありません)
 また、周囲の人の自己重要感を充分に満たすことができる人は、実際、とても少ないのが現状です。

   だからこそ、あなたがそういう存在になれば、周囲の人たちから見て、あなたは貴重な存在になるのです。結果としてあなたは、仲間の中で、大きな影響力を持つ存在になります。  そして、周りの人達が自己重要感に満たされて笑顔になっていくのを見ることは、あなたにとって、とてもハッピーでうれしいことだと思います。
 ということで、承認の達人になれば、豊かな人間関係に囲まれて、ハッピーな人生を送ることができるようになるわけです。

ところで、ストロークには「貧しい者はさらに貧しくなり、富める者はますます富を増す」というストローク経済の法則と呼ばれるものがあります。
 人は皆、ストロークの預金通帳を持っています。この通帳残高が減ってくると、相手の話が聞けなくなったり、すぐにキレてしまったり、精神状態が不安定になったりします。

 次のようなことを言っている男性がいるとします。
「僕の上司は、いつも僕に対して批判的で、僕の話を聞いてくれない。」
 このような場合、上司のストロークの通帳残高が不足しているケースが非常に多いのです。
 そこで部下としては、上司に対して承認をいろいろ与えて、まず上司のストロークの残高を増やすことが、とても効果的です。これは、驚くほど効果があることも多いのです。

 もしかしたら、この部下は次のように言うかもしれません。
「僕のストロークの預金通帳こそ、残高ゼロです。まず、上司の方から、僕にたくさん承認をくれるべきです。」
 こんなふうに、相手に期待をしてしまうスタンスを、心理学では「依存的」と呼びます。
 そして、ふつう相手は期待通りには行動してくれませんので、最期は「被害者的」になってしまいます。

 他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる。
 変えられない他人(相手)に執着するよりは、自分の望む未来を実現するために、自分の行動を変えていく方がよさそうです。


 多くの成功者が、「豊かさを計る基準は何か?」と聞かれたときに、「収入や資産の額ではなく、いざという時に自分を助けてくれる仲間が何人いるかだ。」と答えています。
 実際、ピンチの状態から抜け出して成功した人の多くが、ピンチの時に周囲の人に支えられた体験を持っています。いつも周囲に承認を与えて、周りの人が喜ぶことを楽しんでいる と、周りの人が、「いざという時、自分を助けてくれる人」にもなるのです。
 ただ、承認はハートが伝わりますから、純粋に相手に喜んでもらうことを目的にして、それ 自体を自分の喜びにするのが自然です。
 「自分を助けてくれる人脈を作ること」を目的にすると、承認が、下心見え見えのテクニックになってしまいます。

 さて、もう一つ気をつけていただきたいことがあります。
 承認を与えれば、相手のストロークの残高は増えるのですが、相手を批判したり攻撃したりすると、相手の残高は減っていきます。
 ですから、「承認をすることもあるが、それ以上に攻撃をすることが多い」というのでは、 相手のストロークの残高は増えないのです。

 交流分析では、グレースタンプという言葉を使います。
 こちらが相手に対して、批判したり、非難したり、否定的な態度を取ったりすると、相手は、スタンプ帳にスタンプを押すように、否定的な感情を貯め込んでいきます。
 この否定的な感情を貯めることを、「グレースタンプ」を集めると言います。
 スーパーなどのスタンプ帳はいっぱいになると商品と交換してくれたりしますが、否定的な感情(グレースタンプ)のスタンプ帳がいっぱいになった相手は、キレたり、暴力的になったり、病気になったり、突然去って行ったり、するのです。
 貯めてもらうなら、グレースタンプではなくて、ストロークの残高です!


最後に

 人を動かすには、どうすればよいかということをテーマに、いろいろなテクニック、心理学的なアプローチを紹介しました。この学びの中から、インナーマネジメントという私独自の考え方がまとまりました。
 私の考え方は、どんな仕事の中にも楽しみはあるというものです。
 大切なのは、どんな瞬間でも楽しめる自分になる事だと思っています。「自分にピッタリな楽しい生き方を探し求める」のではなく、どんな事、どんな時にでも楽しめる自分を創る事が、大切なのだと思っています。

 「自分は楽しく仕事をする」という姿勢で、仕事の結果とは区別してみたらどうでしょうか。もちろん周囲に嫌なことが起きたり、組織が官僚的で動かなかったり、自分ではどうすることもできない原因が存在することは確かですが、仕事を楽しむと決意することで、何かを得ることができると確信しています。

 形のあるお金や財産などの「物体」は有限ですが、「感動と感謝」「仲間の存在」は無限の財産です。

「楽しい」という感情は、物で得ることはできません。
 お金で得る満足(=欲)は一時的なものであり、際限なく肥大化し、同時にそれをなくす恐怖と不安が増大します。そこに感動や感謝もなく、仲間の存在も表面的であり、疎外感を味わいます。
 奇跡的にすべてを手に入れても、命は有限ですから、死によって終わります。
 しかし、「感動」は音楽や絵画のように、思い出、体験として永遠の命(価値観)を持つことができます。

 本当の楽しみを得る事とは、楽しみを探し求めるのではなく『楽しめる自分を創る!』事なのです。

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