交流分析の目的

≪交流分析概論≫ 自分に気づき、自分で自律し、違いを認めて親密な関係を築くこと

①自分に気づく
自分は、心配性か、知らずに人を傷つけることがあるかなど、自分に気づくことです。

②自律する
自分で自分をコントロールする。人のせいにしないで、自分の人生に責任を取る。自分の考えや感情に責任を持つ。

「どうしてイライラさせるの?」「どうして心配させるの?」というのは、子供に対する自分の感情(気持ち)に責任をとれていないのです。
≪母親自身が、自分の責任がとれていません。怒りや寂しさ、心配症は、自分が自分でそうさせているのであって、人のせいではないのです。同じ出来事でも、落ち込まない人もいるし、ひどく落ち込む人もいます。「自分で落ち込むか 落ち込まないか」それは自分で選べるのです。≫
③親密な関係を築くこと
 夫婦、親子、教師と生徒の関係を考えた時に、私たちは“違い”を認めましょう。相手を変えようとしても親密な関係を築くことはできません。

 相手を変えようとするのは、Gameです。子供が親を困らせるのは、愛情をかけてほしい、認めてほしいという気持ちからです。
 親子や夫婦の関係で、莫大な時間とエネルギーをかけても、ちっとも改善されない、思ったとおりにならないのは、人間関係がこじれているからです。「私と夫は違うんだ」「私と子供は違うんだ」ということを認めたとき、始めて相手の人格を認めることになります。
 よいコミュニケーションは「違いを認める」ことから始まります。Gameから解放されて親密な関係を築きましょう。

 人は誰でも「3つの私」を持っています。
 親の心(P) 、大人の心(A)、子供の心(C)

 まずい人間関係は、この「3つの心」のバランスが崩れるところから起こります。まず、自分の姿をフィードバックしましょう。
≪フィードバックとは、自分のやったことを振り返り、まずいところを改善して先へ進む、自分のやったことを見直して直すということです。≫

≪余談≫
 例えば登校拒否の子供を持っている場合、親は自分の子育てをフィードバックして見てみてください。
「学校へ行け」といえば言うほど、子供は行きたくない気持ちになります。
叱っている自分の姿に気づいて、改め、別のやり方をしましょう。叱っている自分の姿を客観的にゆっくり見てみましょう。もう1つの目で見ると、まずい人間関係になっていることに気づくはずです。

 朝、子供が親に「今何時?」と聞いたら「7時40分よ」と応えてあげれば、スムーズなふれあいのコミュニケーションができるのに、これを途中で切ってしまう人が、案外多いものです。
 「今何時?」と聞いてきた子供に、「あなた時計はどうしたの?」「ないから聞いてるんだよ」「どこに置いたの?」「わからないよ」「あんたはいつもそうなんだから」「「ママのバカ!」「バカとは何ですか」というように、まずいコミュニケーションになってしまい、朝の大切な時間を台無しにしてしまいます。そして、両方ともいやな気持ちのまま、一日がスタートしてしまいます。
 「自分のことは自分でしなさい」ということは正しいのですが、親の「・・べき」の気持ちをあんまり早く出すと、スムーズな親子のふれあいには程遠い関係になってしまいます。
 イライラして楽しくない関係に持ち込もうとする「Game」をすることになります。
 いい気持ちの親子関係を守ることは、とても大切なことです。「学校へ行きたくない」と休んでいる子供に、「どうせ休むんだったら、宿題ぐらいしたらどう?」「少しは親に感謝したらどうなの!」「世間には通用せんよ」などと言うのはまずい対応です。一番悩んでいるのは子ども自身なのですから。「学校へ行きたくないこともあるよね」「よくわかったよ」と優しい目つきで言いましょう。
子供と雑談をしましょう。
家族で楽しい会話をしましょう。
子供が興味を持っていることに関心を持って、「面白かった」という子供には「どういうところが面白かったの?」と聞いてあげましょう。そのことをよく考えて「よい気持ちにすること」は大切です。  

ストローク

≪交流分析概論≫ 交流分析のもっとも特徴的な考え方

 「はい、でも・・・」という人、簡単なことを複雑にする人、相手を困らせるようなことをする人、拒絶を誘う人などは、こじれる人間関係の具体例です。十分に甘えられないで育った人は、まずい人間関係を繰り返します。
人は、安心感を得られるような人間関係を求めて生きているのです。これがストロークです。
人はストロークを求めて生きています。

「あなたは大事な人間ですよ」と優しい目つき、優しい言葉がけ、スキンシップをして気持ちのよい刺激を与えましょう。
 ストロークにはプラスのストロークとマイナスのストロークがあります。
 プラスはもらうといい気持ちになるもので、喜びやうれしいという感情があります。マイナスは、もらうといやな気持ちになるもので、殴る、たたく、虐待、皮肉、にらむ、「ダメねえ」という言葉などです。
「甘え」を知らない人、甘えようとしない人、甘えることが恐くて引きこもってしまう人は統合失調症の人に多く見られます。

 ストロークにはある法則があります。
 それは、「プラスが足りないと、マイナスで補う」というものです。
 マイナスのストロークの交換が習慣になったのがGameです。そして、莫大な時間とエネルギーを費やしてもよい結果が得られないのです。ストロークは、甘え、あるいは精神的な食べ物といえます。
 関係の質を変えれば、相手は変わっていきます。

「言って聞かせる」「説得する」など、押しつける形で相手を変えようとするより、「そう考えるのね」「そう感じるのね」と相手の気持ちを汲み取ってあげて、相手が「大事にされた」という気持ちを持てるように接しましょう。
 自分の気持ちをよく聴いてもらえた、わかってもらえたと思った時、子供は愛情を感じるのです。相手の気持ちを質問しながらじっくり聞いてあげ、感情を出させて上げましょう。
 親の言うことを聞かせようとしていけません。
 非行や不登校の子供の家庭では、「雑談がない」といわれています。「偏差値や成績の話ばかりする。生産能率性だけで生きる」のは、わびしいものです。
 甘えを満たさないで、「躾、躾」と言うと、まずい人間関係になります。
人はストロークを求めて生きているのです。
楽しい会話を長く続けましょう。美しい景色、楽しい話題、感動した映画など、家で雑談を増やしましょう。よい気持ち、幸福感、好奇心、楽しい気持ち、驚き、綺麗ね等の感覚が大切です。
 楽しい気持ちを分かち合いましょう。
 プラスのストロークの最大のものは「傾聴」です。十分話させて、じっくり相手の立場に立ってわかってあげましょう。
信頼関係を媒体にして、相手の気持ちを理解するよう働きかけましょう。
本人が自分で問題解決していくようにもっていきましょう。

「親の言うことは正しい」という価値観を横において、今、子供がどんな気持ちでいるのかわかってあげましょう。
引きこもりの人は、「自分はダメ人間」と思っています。小さいとき、十分に、健康な意味での甘えが満たされていないと、「自分はダメ人間だ」と自分を強く否定します。
 自己否定感情(I!m not OK)の気持ちを持っている人は、人間関係がうまくいきません。いい意味で自分を大事にし、自惚れではなく、自分を肯定する感情を持てることが望ましいです。
「親になったらあんたもわかる」「少しは感謝しなさい」「「そんなこと世間には通用せんよ」「あんたはダメ人間」というメッセージを受け取ると子供は、自己否定感情を持ってしまいます。
「人は間違いをするもの」「学校へ行っても行かなくてもあなたは大事な人間よ」成績とか、私を喜ばせるならかわいがるとかではなく、何の条件もつけずに「あなたの存在が大事なの」「ありのままの大事な人間なの」と扱ってもらったとき、その人の本当の力が出るものなのです。
 今ここの気持ちじっくり聞いてあげることが大切20分か30分ぐらい相手に十分しゃべらせて、相手の気持ちをわかるまで、決して口を挟まない。
「あなたの言いたいことは、○○ことなのね」「そう受け取ったよ。とフィードバックするのです。「ママはうるさい!」「うーん、うるさいの」「「いつごろから?」「どんなところが?」と聞いていくのです。
決して、「母親になんてこと言うんです。」「誰が月謝出してると思ってるの!」「少しは感謝しなさい」などと言ってはいけません。

≪脚本≫
 脚本は自分が気づいていない人生のストーリーです。
 小さい頃のトラウマの体験から心の傷になっている親子関係が未解決なとき「何をやってもダメ」「さっさとしなさい」などマイナスのメッセージが生き生きと今も心の中に生きている、今の人生に影響してしまっている状態です。 交流分析の最終の目的は、脚本からの解放です。
早く不幸な人生は書き換えていきましょう。
誰にも本当の自分を生きる資格や可能性があるのです。

交流分析入門

≪交流分析概論≫ 交流分析とは

 交流分析(Transactional Analysis、以下TAと略す)はアメリカの精神科医、エリック・バ-ン(Eric Berne 1910 ~1970) によって創始された「人間関係や人の行動を理解するための理論体系」であり、またそれに基づいた心理療法を含んだ精神分析の一つです。
TAは、本来人に備わっている気づき、自発性、親密さに関する潜在能力を目覚めさせることによって、「自律性」を高めることを目的としています。また、日常用語を使って説明されているため分かりやすいこと、心理療法・教育・企業組織といった多岐の分野で活用できることがTAの魅力です。
≪交流分析はポップサイコロジーというレッテルを貼られてお手軽な心理学と誤解され、専門家から軽視されるような傾向があります。エゴグラムが有名ですが、簡単な性格診断のように利用されています。 わかりやすいものですから、学問的な研究をしている先生は、軽んじる傾向があるみたいです。しかし、学問は、解りやすいことが一番大切なのではと思うのですが・・・。≫

 自分の「心」を理解することによってより効果的なコミュニケーションができます。自分の自我状態、相手の自我状態を意識しながら刺激に対して反応するように努力してゆけば、人間は自分を変えることができ、好ましい対人関係を築くことが出来るようになります。自分の性格は変えられます。自分の周りにいる人たちを変えようと思ったら、まず自分が変わらなければ、回りは変わりません。

日本交流分析学会ホームページ
 杉田峰康先生が理事長をされています。以下の文章は、杉田先生の本を参照して、十年ほど前から自分でまとめていました。今回新たなチャレンジとして独自の解釈を加え大幅に書き直したものです。
なお、このブログは、以下の本を主に参照しています。
『人生を変える交流分析』池見酉次郎、杉田峰康、新里里春著 創元社
『交流分析入門』桂 載作、杉田峰康、白井幸子 共著 チーム医療
『交流分析とエゴグラム』新里里春、水野正憲、桂 載作、杉田峰康 共著 チーム医療
『甘えの構造』土井健郎 弘文堂選書

他、杉田先生が書かれた本は、ほとんど読破しました。
 1976年5月に、第一回の交流分析学会が東京で開かれました。この時から精神分析の口語版としての『交流分析』が日本に導入されたといえると思います。当時、九州大学心療内科の池見先生が会長をされていたそうです。つまり、医療行為として心理療法として導入されたものですが、私はむしろ、自分を変えることを学ぶ学問であると思っています。

 交流分析の言葉に、「過去と他人は変えられない」というのがあります。
変えることができるのは自分だけです。

自分が変わってみると、そこには新しい世界が現れます。それは、“とらわれ”からの脱却です。
私たちは無意識のうちに何かに“とらわれ”ています。
好き嫌いといえばわかりやすいと思います。
その角度からしかものが見えないのです。
「アイツはこれこれで悪いのだ」とか「あの連中はわがままで困る」とか、いつの間にか決め付けています。相手に勝手に「こうしてもらいたい」と要求します。いや、課長がこうだったら良いのにとか、いやあの部長がこうだったら良いのにとか、つい思ってしまいます。
夫がちょうどいい時間に帰宅して“くれない”。
レストランに食事に行こうといったのに、いって“くれない”。
部長に一言、お疲れ様と言ってもらいたいのに、言って“くれない”。
 これを“くれない”族といいます。
 これらはすべて、相手にこうあってほしいと要求しています。本人がそれに気づいていないだけなのです。
 欲求の水準が高いからなのですが、人間は相手に対する要求が多いほど、未熟だといわれています。いわゆる未熟性格の持ち主です。今日の日本は、物質的には恵まれているのですが、そのために心が鍛えられることが少なく、未熟な性格の人が増加しつつあります。
 交流分析は、相手を変えるのではなく、自分を変えることを学ぶ学問です。自分を変えることによって、環境としての相手が変わることを知る学問だといっても良いかもしれません。

自分を知る

≪交流分析≫ 構造分析

☆交流分析の主な考え方
人は誰でも三つの私(自我状態)を持っている。
私たちの感情、考え、行動を最終的に決定しているのは自分であり、その総責任者である。

親の自我状態(Parent)→(P)
(CP)Critical Parent →批判的な親
(NP)Nurturing Parent →保護的な親
大人の自我状態(Adult)→(A)
子供の自我状態(Child)→(C)
(FC)Free Child →自由な子供
(AC)Adapted Child →順応した子供
 

人の行動は観察可能なものであり、そして状態としてとらえ、内外の状況に対応して時々刻々変化するものであると交流分析は考えています。この時々刻々に変化する人間行動を自我状態といいます。
たとえば、人がみだらな行動をしている時に反応する自我状態→CP
人が悲しみに打ちひしがれている状況に反応する自我状態→NP
そして、その状態を詳細に分析する自我状態にもなれます。→A
酒を飲んでふざけた行動をしますし →FC
それを見て悲しくもなります。 →AC

交流分析の目的をまとめると、
自分への気づき(自己理解)を深めることにより、自分自身の感情のコントロールを可能にする。
自律性を高めることで自分の考え方、感じ方、さらには行動に責任を持つまで成長する。
こじれる人間関係に陥らず、互いに親密な心のふれあいを経験できるようになる

ことにあります。

 なお、交流分析の流れは、構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析という四つの分析を順番に行いますが、それぞれに独自の解釈を付け加えて説明したいと考えています。

(1)構造分析
私たちの人格の構造を(P)、(A)、(C)を使い自己分析をします。
自己を客観視しながら、自分の性格のアンバランスを見つけることが目的です。

(2)交流パターン分析
(P)、(A)、(C)を応用して、日常のお互いのやりとり(言葉、態度、行動)を分析します。対人関係を目に見えるように図式化して、ベクトル(矢印)であらわします。

≪言葉、態度、行動の裏側にある本音を分析します。相性診断もします。≫

(3)ゲーム分析
その人の存在や価値を高めるための言動や働きかけをストロークと言います。ゲームとは、何らかの理由で信頼と愛情に裏付けられた真実の交流がないためにマイナスのストロークを繰り返すことです。

(4)脚本分析
 人生というドラマの中で、私たちが演じている役割を脚本と言う概念でとらえます。脚本は子供時代に親たちを中心とする周囲の影響のもとで発達し、その後の対人関係を含めた人生体験によって強化され、固定化されてきた人生の青写真、あるいは「無意識の人生計画」です。脚本は、人生の持つとも重要な局面で、私たちの行動を左右します。

三つの自我状態

≪交流分析≫ 構造分析

 私たちは、自分の内部に三つの部分を備え、人格はそれによって形成されています。これらを自我状態といいます。
 1人の人間の中に三人がいて、この中の1人が時々人格全体を統制しているように見えたり、また1人が三つの状態の間をすばやく行ったり来たりしています。

特に問題がないときは、それなりにまとまって機能していますが、何かが起きると三つの自我状態の中で強く反応する部分があり、その反応が、その人特有の思考や行動パターンになるわけです。

 たとえば、誰かと待ち合わせをしていて相手が約束の時間を過ぎても来ない場面を想像してください。あなたはどのような思いを持ちますか。そして、どんな気持ちが起こってきますか。その時の表情や態度、行動はいかがでしょうか。次に記した5つの状況を想像してみてください。

①「約束は守るべきだ」などと考え、怒りを感じ、眉間にしわを寄せるような表情で時計を何度も確認し、腕組みをする。 →(CP)批判的な子供を叱る父親のような私

②「遅いけど大丈夫かな、都合が悪くなったのかな」などと考え、不安を感じ、相手を心配し、着そうな方向を見やったりする。 →(NP)保護的なやさしい母親のような私

③「約束の時間から何分過ぎただろうか」「この後の予定を変えるとしたら・・・」「事故や交通の状態は通常どおりだろうか」などと考えをめぐらせ、冷静さを感じ、落ち着いた態度でいる。 →(A)合理的な大人のような私

④「私が待たされるなんて」などと考え、「遅―い」「待ちたくない」などと不満を感じ、不快な表情と動作で長く待たずに移動する。 →(FC)感情をあらわにする自由な子供のような私

⑤「来たくないのかな、約束しなきゃ良かった」などと考え、罪悪感を持ち、おどおどしたり、うつむきがちの姿勢、態度をとる。 →(AC)相手の評価を気にする順応した子供のような私

①~⑤の中にあなたが日頃とっている内容がありますか。
考えは①だけど感じるのは②行動は③などということもあります。
いずれにしても私たちの心はひとつではないことが理解できます。
また、はじめは②でその後⑤になって、そして③へ変わってなどということもあります。
ころころと変化するのが心なのです。
 その他、「相手によって違います」や「その場の状況によっても変わります」「私自身や相手の状態も一定ではないし」と築いている人もいるでしょう。
 つまり私たちは自分の思考、感情、行動をいろいろな影響や刺激を受けて最終的に自分で決定しているのだということに改めて気づきます。

三つの私

親の自我状態(Parent)→(P)
両親や自分を育ててくれた養育者たちの考え方や、行動、感じ方を取り入れた部分で、次の二つに分かれます。
(CP)Critical Parent →批判的な親
批判、非難、叱責を行う。良心や理想とも深く関係していて、厳しい面を示す。
 CPが強すぎる人は、命令や指示など自分の価値観を押し付けるような支配的な言動が見られます。人をほめるより責めるほうが多くなります。
 一般的に非合理的で、Aの評価を受けたことがなく、しばしば偏見に満ちています。このPの強い人は、命令・指示など一定の価値観を押しつけるような言動がみられます。また、支配的な自信過剰家として登場して、他人のCをおどすような行動を取ることがあります。

例)
・どんな理由があろうと規則は規則なんだから、しかるべき責任を取るべきだ。
・男女七歳にして席を同じうせず。
・俺の目の黒いうちは、誰にもそんなことはさせん。
・だいだい男が髪を長くするなんて、不潔でだらしない。早速、刈らせろ。
・君にはそうゆう服装をしてもらいたくないな。それを着ると女らしさがなくなるから。
・男性の喫煙はいいとしても、女性が煙草をくわえた姿はいただけない。
・出世のためには、何事も我慢が肝心。
・実力、実績主義に徹し、形式を排する態度、残業して仕事を片付けるのは愛社心の表れだ。

(NP)Nurturing Parent →保護的な親
 母性的な部分であり、同情的・保護的・養育的です。ほめたりあたたかい言葉をかけたりします。度が過ぎると、相手の独立心や自信を奪ったり、親切の押売りになります。

例)
・まあまあ、いいから俺に任せておけ。
・そうしょげるなよ。さあ、気分転換に一杯おごるからついてこいよ。
・さあ、本当のことを打ち明けてごらんなさい。けつして、悪いようにしないから。
・課長さん、お疲れでしょう。ちょっとお休みなって、このケーキを召し上がりませんか。
・君、あんまり無理しないでくれよな。君は会社にとってかけがえのない人なんだから。
・あいつ、叱られてばかりいて、かわいそうでみていられない。
・うん、君に頼まれると断れないなあ。よし、よし、何とかしてあげよう。

大人の自我状態(Adult)→(A)
 事実中心に観察し、データを収集し、整理統合します。過去の知識や経験を参考にして、評価、修正し、冷静な計算に基づいて機能します。
 感情に支配されず冷静な部分ですが、精神的に成熟した人間と言う意味ではありません。Aが強すぎると、感情を表さず、人間味のない打算的な人とみられます。

例)
・多角的に物事を観察し、平等、公正に評価しようとする態度。
  賛否両論を聞いてみようじゃないか。
相手側の真意がどんなものか、もう少し探ってみてください。
・情報の収集、原因の追究を目的としたすべての質問。
  どうやってそこに行く予定ですか。
  どうして、そうゆう噂があったんですか。
・最終目的を遂げるために、即時的な感情や欲求をセルフコントロールしているとき。
・仕事における冷静で能率的な状態

子供の自我状態(Child)→(C)
 子供時代に実際に感じたり行動したりしたのと同じような感情や行動を示します。次の二つに分かれます。

(FC)Free Child →自由な子供
 誰にも拘束されず自然に振舞う部分で、両親のしつけの影響も受けません。感情的・本能的・自己中心的・積極的であり、好奇心や創造性の源です。現実を吟味することなく、即座に快楽を求め苦痛を避けようとします。

例)
・わあ、すごい。かっこいい。
・あなたはとても美しい。僕はあなたが好きだ。
・いい考えが浮かんだよ

(AC)Adapted Child →順応した子供
自分をしつけたり、教育しようとした親に順応した部分です。子供は成長過程で、養育者の愛情を失うのを恐れ、自然な自分を抑えて相手の枠にはまるようさまざまな反応を示します。
従順で我慢強く「いい子」ですが、感情を抑圧し、劣等感にとらわれ、悲しみにひたりやすい面があります。また、すねたり、ひねくれたり、恨んだり、さらには突然カンシャクをおこします。
明るさに欠け、一般に陰湿な面がどこかに見られます。

例)
・ゴキブリにたいする恐怖
・ヨン様を追いかけるオバタリアン
・「子供が学校へ行かない」という場合、「どうしよう、もうおしまいだ」と騒ぎ、5歳の心配性の私が出てくる
・人のいうなりになる人
・人の顔色をうかがう。ご機嫌をとる。
・思ったことを口に出せない。
・ゆううつやさびしい気持ちに浸る。
・屈折した攻撃性、さまざまな引き伸ばし戦術。くってかかったり、かみつく態度、
・人を呑んだり、なめたりする。

構造分析について

私たちの人格の構造を(P)、(A)、(C)を使い自己分析をする方法

 自己を客観視しながら、自分の性格のアンバランスを見つけることが目的です。(P)、(A)、(C)のうち、どこが主導権をにぎっているか。片寄りはないかを見ます。

【仕事中毒型】Pが大きく、Cが小さい。
常に完全欲、義務感にかられ、絶えず自分を駆り立ててブレーキがきかない傾向が見られます。几帳面、きまじめ、徹底的、凝り性、責任感が強い。過度に野心的、個人主義的、独立心などの傾向あります。うつ病にかかりやすい。

【情緒不安定型】Cが大きくPが小さい
ヒステリー性格、判断することが軽率で気分に支配されることが多く、表情や態度も大げさで芝居がかっています。 よく見られたがり、能力以上のことをしたがる。派手好みで子供っぽく、これが魅力になるので異性関係が絶えないタイプです。
男性の場合、いつまでも独身で、親と同居したり、職を転々とします。家庭になじめず、夫の責任を放棄します。

【過剰適応型】Aが大きい
物事を常に事実中心にとらえ、仕事でも生産性、能率を重視します。やり手、切れ者とみなされます。 実際には、感情を知性によって無理に押さえ込んでいる場合が少なくありません。心身症になりやすいタイプです。

【葛藤ジレンマ型】PとCが大きく、Aが小さい
依存、攻撃、セックスなどの人間の自然な欲求がその表出を禁じる良心や道徳観の反対にあうと心の内部で戦いが始まります。この葛藤が、ある種の症状で妥協したのがノイローゼです。

上記の境界線は、一応できていて、健康な人は、バランスをとっていますが、時に(C)が(A)を汚染したり(P)が(A)に不法侵入したりします。
また(A)が(P)や(C)に越境したりします。さらに、乖離したり、除外したりします。

エゴグラムチェックリスト

≪構造分析≫

下記に人の行動を表す短文があります。自分にあてはまれば、□の中に○、あてはまらなければ×、またどちらともいえない場合は△を書き込んでください。
≪結果に良し悪しはありません。またその時の状況で値も変化します。≫

(CP)Critical Parent チェック
1.世の中の不正を許せない
2.身勝手なふるまいを見ると、ちょっとしたことでも気になる
3.他人の長所よりも、欠点が先に目につくほうである
4.正しいと思ったら、自分の考えを押し通すほうだ
5.礼儀作法にはうるさいほうだ
6.「~してはいけない」などとはっきり言う
7.物事にルーズな人は許せない
8.何事もスジを通さないと気がすまない
9.部下や後輩にはどちらかというと厳しい
10.信号が黄色になったのに横断するような人は気になる
――――――○は2点、△は1点、×は0点 CP合計 (    )点
(NP)Nurturing Parent チェック
11. 人に道を尋ねられたら親切に教える
12. 世話役や幹事などをよく任せられる
13. モタモタしている人を見ると、手を貸してあげたくなる
14. 子供の世話をしたり面倒をみるのをいとわない
15. 友人が困っていると面倒を見たくなる
16. 折りにふれて家族や友人によく土産を買う
17. 自分への迷惑な行為も許すことができる
18. 他人からものを頼まれると快く引き受けることが多い
19. 他人のミスに対して寛大なほうだ
20. いたましい出来事のニュースを見ると、他人事とは思えない
――――――○は2点、△は1点、×は0点 CP合計 (    )点
(A)Adult チェック
21. 衝動買いはあまりしない
22. いろいろな意見を比べて分析検討するほうである
23. 映画を観てもあまり感情を動かさず冷静に観る
24. 物事を判断するとき数字やデータをもとにして考える
25. 占いや迷信は信じない
26. 何かするときに、損か得かをよく考える
27. 新聞やニュース番組を注意深く見て、世の中の動きをつかむ
28. 何かを始めるとき、参考書を集め、よく準備する
29. 仕事をよく検討し計画的にすすめる
30. 行動をおこすとき、いつも結果を考えている
――――――○は2点、△は1点、×は0点 CP合計 (    )点
(FC)Free Child チェック
31. スポーツや趣味を無心に楽しむ
32. ほめられると子供のように嬉しくなる
33. パーティーや酒の席では無邪気に楽しむ
34. 食事時など家族や友人と団らんすることがとても楽しい
35. 欲しいものがあると、どうしても手に入れたいと思う
36. 占ったり、手相をみるときは深い興味を感じる
37. 流行っている言葉や表現をよく使う
38. ふざけて人を驚かしたりすることがある
39. 好奇心が強い
40. 何かをするときアイデアやひらめきがよく浮かぶ
――――――○は2点、△は1点、×は0点 CP合計 (    )点
(AC)Adapted Child チェック
41. 周りの人とかけ離れた服装や髪型をしない
42. 何か誘われたとき、あまり気がすすまなくても断わりにくい
43. 「人づきあいがいい」とよく言われる
44. イヤなことでも我慢するほうだ
45. ユウウツな気分から抜け出せないことがよくある
46. 何でもないことが思ったとおり言えず、後で悔やむことが多い
47. 気に障ることを言われると、つっかかったり気にやんだりすることが多い
48. 人の顔色や思惑が気になることが多い
49. 相手が批判してきても、すぐ言い返したりしない
50. 他人の意見に反論するのが苦手なほうだ
――――――○は2点、△は1点、×は0点 CP合計 (    )点

 結果に良い悪いはありません。日常の自分をありのままにつけてください。特に、かくありたい、こう見せたいという願望でつけないようにご注意ください。

エゴグラムとは、それぞれの自我状態の心的エネルギーを量的に見るためにグラフで表したものです。

*採点とグラフの作り方
●AからEまで、それぞれに縦に合計し、下の合計欄に記入してください。
●合計点を右のグラフの上端の枠の中に転記してください。
●AからEまでそれぞれの合計点数を線上にマークし、それを結んで折線グラフを描いてください。
●記号A.B.C.D.E.は、それぞれCP.NP.A.FC.AC.に相当します。グラフ下端の枠の中に記入してください。

 自分をかえるためには、低いところを高めることが有効です。そのためにも質問事項の「いいえ」の部分に注目してみてください。その項目が○になるように、行動しましょう。行動を続けると、心的エネルギーも高まり、対人コミュニケーションがスムーズになり、心も健康になり、より自分らしく生きることができます。

エゴグラム 診断の内容 (概要)

・CP が高すぎる人は、 厳格でまじめな面もあるが、他者に対し評価的で押しつけが強くならぬように心がけてください。
・NP が高すぎる人は、 世話好きで思いやりがある面もあるが、過保護でおせっかいにならぬように心がけてください。
・A  が高すぎる人は、 理論的、合理的な面もあるが、割り切りすぎて味も素っ気もなくならぬように心がけてください。
・FC が高すぎる人は、 自由で開放的な面もあるが、衝動的で調子に乗らないように心がけてください。
・AC が高すぎる人は、 従順で協調的な面もあるが、自己を抑制し、ひとに気を使いすぎて遠慮や妥協をしないように心がけてください。
・CP が低すぎる人は、 無批判、放任、場当り的な傾向があるので、批判力をもっと高めるように心がけてください。
・NP が低すぎる人は、 冷淡、無関心の傾向があるので、他者への配慮をもっと豊かにするように心がけてください。
・A が低すぎる人は、 ずさん、非理論的な傾向があるので、もっと理性的に考えるように心がけてください。
・FC が低すぎる人は、 無感動、陰気の傾向があるので、もっと自由に感じたまま自由に発言するように心がけてください。
・AC が低すぎる人は、 ひとに合わせず、かたくなな、ひとりよがりの傾向があるので、もっとひとと協調するように心がけてください。

それぞれの心がければ、それだけ人格の円熟味を増すことになります。
* 以上の点について、思い当たるところには赤線を引いてみてください。

自己の変容について

≪構造分析≫ 自己の心的エネルギーの配分を変えましょう。そのためのポイントです。

①どんなタイプの人間として生きたいか、どんな生き方を望んでいるかについて考えましょう。
②自分を変えるためには、縮めるよりも伸ばすほうがうまくいきます。

低すぎる部分を伸ばすと他の部分へのエネルギーは減っていきます。
③変わるのを妨げる力に打ち勝ちましょう。
人が変わるということは、それまでの人格の統治者に反逆することを意味します。一番高い部分から激しい抵抗に会います。変わりたいけど変われないのは、一番高い部分が一番低い部分をいじめて押さえつけているのです。根気強く努力することが大切です。

CPを上げる NPを上げる Aを上げる FCを上げる ACを上げる



私はこう思うと自分の考えや批判をする練習をする。決めたことは最後まできちっとやろう。少し発言しなければ、・・。 相手の気持ち、感情を認める言葉 ~のような気持ちなのね。 もう少し詳しく説明してください。少し考えさしてくださいと間を取る。話の内容を確かめる。 それは面白そうね。やってみよう。私も仲間に入れて。愉快ね。ユーモア、冗談。おいしいですね、きれいですね。 大丈夫ですか。すみません。気を悪くしませんでしたか。これでいいのですか。かわいそうにねえ。



時間や金銭にやかましく。部下や子供の間違いはその場で叱る。何かひとつその場で譲らない。生活の時間割を作り、守る。 美しい、好ましい点をほめる。個人的な関心を示す。機会をとらえて、小さな贈り物をする。相手のネガティブな態度に反応しない。 物事を分析し、ルールやパターンを調べる。自律訓練法、沈黙、リラックスして冷静になる訓練をする。 不快感に多くの時間を費やさない。短い空想を楽しむ。芸術、娯楽を楽しむ。愉快な気分に浸る。 聞き手に回る。少し遠慮し、妥協してみる。相手を立ててみる。相手がどう感じたか確かめる。子供や部下に従ってみる。

 理屈では解るのですが、意識し続けることは本当に難しいことです。お前はどうかと問われれば、穴があったら入りたい。