inner management

社員の心に直接アプローチするマネジメント理論
指示命令ではなく「共感」。思考ではなく「感情・感性・感覚」によってマネジメントする。

インナーマネジメントのテーマ

Theory of the inner management Section.5-1

 テーマは、単に、人を管理することだけではなくて、人材育成、「会社の幹部、あてになる人材を作る」事です。この視点でマネジメントを考える必要があります。時間がかかりますし、効率も悪くなります。経営者は、企業の継続的な発展をさせることが大切ですから、この長期的な視点を持つ必要性があります。
 そのためには、経営者、管理職は自分自身の「心のエンジン」つまりモチベーションを上げ維持する必要があります。

 モチベーションとは自分自身がなりたい、やりたいと思う目標をやり遂げようとする心の衝動、心の底にある「内発的動機」であり「志」とも言います。
 自分のモチベーションをコントロールし、部下のモチベーションをサポートすることで「部下の自立」と「部下との深い信頼関係」を築くことができます。
 同時に大切なことが「企業風土」を作ることです。
 「人が育つ風土づくり」が企業にとっていちばん大切だと思います。水をまく前に土を耕す必要があります。人材を育てるためには、まずその土地を耕し、その人の心に種をまきます。水をまき、太陽の光を与える必要があります。しかも時間がかかります。
「成果」と「ノウハウ」「楽しさ」はそれぞれにリンクしています。
その一つだけ、「成果」ばかりを評価してしまうと、いびつな三角形ができてしまうのです

(1)あてになる人材を作る

  今までの合理的な「頭でっかち」のマネジメント
目に見える部分
意識と無意識の境目
目に見えない部分
 この部分の教育が少ないのでは、知識や技術などが身につかない。頭でっかちになる。これでは成果が得られない。



目に見える部分
意識と無意識の境目
目に見えない部分
 これからのマネジメントはこの部分の教育が前提になる。
 =インナーマネジメント

 今までの一般的なマネジメントは、目標管理やプロセス管理など、主要なテーマが知識や技能に対する教育を重視し、人間的な思い・価値観など、二次的なテーマとして「やる気」や「働き甲斐」などのマネジメントはおこなわれていませんでした。
 その結果、理論的な「頭でっかち」のマネジメントになり、こうしろ、ああしろといった上からの指示命令が多くなってしまいます。これでは成果を出すことはできません。

 ・仕事に喜びを感じられなければ、お客様にも喜んでもらえません。
 ・どんなに知識や技能を持っていても、それらを使うのは人です。

 「人が育つ風土づくり」が企業にとっていちばん大切だと思います。花(個人)に水をまく前に土(社内環境)を耕す必要があります。
 同時に大切なことが「企業風土」を作ることです。
 「人が育つ風土づくり」が企業にとっていちばん大切だと思います。水をまく前に土を耕す必要があります。人材を育てるためには、まずその土地を耕し、その人の心に種をまきます。水をまき、太陽の光を与える必要があります。しかも時間がかかります。
 人材を育てるためには、まずその土地を耕し、次にその人の心に種をまきます。そして水をまき、太陽の光を十分に与える必要があります。急いではいけません。

 具体的には、自律的なキャリア形成のためのヒューマン教育、自己理解を中心に自分を見つめなおし、「気づき」を体験させます。自分に気づき自ら行動することで、自分の新しい可能性を発見することになります。

(2)自由闊達な企業風土を作る

 花を育てるためには、種を蒔く前にまずその土地を耕す必要があります。そして、種をまきます。水をかけて、太陽の光を与える必要があります。土地を耕すことが、「企業風土」を作ることです。

 具体的には、次のような職場環境だったらどうでしょうか。


上司の指示が違うと思ったら、各自の責任のもとに無視しろ
 上司を上司とも思わない態度がいいというのではありません。本気で議論する雰囲気です。自分の意見を述べることができるというのは、素晴らしいと思いませんか。

当然必要と思ったら、指示がなくても実行しろ

 ここには、自由に発想し、自由に行動する部下と、その部下を包容する上司との信頼関係がベースにあります。上司の人間性が問われます。
 最も大切なことは、部下の成長であり、企業にとっては「あてになる人材」の育成ですから、結果が裏目に出たりしても、決してとがめてはいけないのです。もし、部下が真剣に取り組んでいて、自らの責任において体を張って指示を無視したなら、それは結果の如何に関わらず、賞賛すべき勇気ある行動であり、その過程で、部下は成長します。

 小さな失敗は怒っても、大きな失敗は怒らない
本人がいちばん知っています。失敗して学ぶことが本人の成長を促します。「なぜ失敗したか」を追及しても、結果は変わりません。「どうしたら、失敗しないようにできるか」を考えるべきなのです。


 かつての日本企業は、短期的な業績よりも長期的な企業の成長に重きを置いており、たとえば幹部候補生には、仕事のローテーションがありました。より高いポジションについたときに全体の業務を把握させるためにいろいろな業務を経験させます。このシステムは現在の仕事の効率を下げます。
 もし効率だけを考えるならば、優秀な人は一つの仕事に専念したほうがいいし、より難易度が高い仕事のみを担当させたほうが良い。人間が頭で考えて合理性を追求するとそういう結論になります。

この「安心感」が大切です。 いい会社は、この「安心感」を与えることのできる上司がいる会社です。 企業風土を創り上げるのは、人なのです。

 ・上司の指示・命令を自らの判断で優先順位をつけて遂行し、必要に応じて指示されないことも自主的に行って常に時機に応じた解決策を提示する。
 ・必要があれば指示されなくとも、実行して後で報告する。

 こんな部下がいる会社はいい会社です。どこかに上司に対する信頼感があります。事後報告を認めてくれるような安心感があるから、勝手に行動してしまう部下がいるのです。

(3)モチベーションを保つ

 目標へ向かわせようとする内的過程、つまり、「やる気」「達成意欲」をモチベーションといいますが、これは3つの部分からなっています。
「内発的動機」と「誘因」そして「楽しさ」です。

 行動の原因となる生活体内部の「内発的動機」とは、つまり「心のエンジン」です。そして、目標や成果が「誘因」です。
 この内発的動機と誘因と楽しさのコンビネーションが、モチベーションを作ります。  モチベーションとは自分自身がなりたい、やりたいと思う目標をやり遂げようとする心の衝動「内発的動機」です。それには、「心のエンジン」と同様に、目標が明確に意識されていることが重要です。

 目標というのは別に数字を上げることや、出世すること「外発的動機」ではありません。自分がなりたい未来の姿をイメージすることです。そしてその姿の自分を強く信じることで、そこに向かおうとする内なるパワーが湧き上がります。これこそがモチベーションです。
 管理職の皆さんの内なるパワーはどうなっていますか? 未来の姿はしっかりイメージされていますか? まずは自分のモチベーション状態をしっかり把握しましょう。良い状態ならそれを維持し、下がっていたら心のエンジンをかけなおして、上げることが重要です。自分のモチベーションが良い状態で保たれてこそ、部下のモチベーションをサポートし、部下を活き活きさせることができるのです。

自分自身のモチベーションを上げ、維持すること

そのためには、次の二つがポイントです。
① 現在の仕事の水準を自分で上げて、より大きなチャレンジ性を持たせる。
 この場合は、目標が明確に意識されていますから、次の目標、次の段階と自分のモチベーションを高めることができます。

② 実際にはそこまで要求されていないけれども、何か細かいことに注意を注ぎこむ対象を自分で設定する。

 簡単で易しすぎる「ルーティンワーク」の場合は、すぐに慣れてしまい「飽き」がきてしまいます。

 JR山手線は、約1時間で、外回りと内回りを一周するそうですが、ある人がその山手線の運転手さんに「毎日同じ場所をぐるぐる回るだけで、あきませんか?」と質問したそうです。
「とんでもない、時間帯、季節によって乗っている乗客の数も違うし、ブレーキの掛け方、タイミングなど同じ状態のことはありません。私たちはプロとして、安全に安定した運行を心がけなければなりませんから、一瞬たりとも気が抜けないのです。時刻表と1分も違わず、同じ停車位置に10センチの狂いもなく停車することがいかに難しいか、わかりますか。あきる暇などありません。」と山手線の運転手さんは答えられたそうです。
 難しいこと難しそうと思わせず、簡単に見せるのがプロです。素人である私たちには、退屈なように見えてしまうのかもしれません。私たちが毎日当たり前のようにバスや電車に乗って通勤して会社にいけるのは、このプロの仕事のおかげなのです。

 このプロ意識は「自分で作り耕す」必要があります。先輩社員から話を聞いても、研修で「なるほど」と思っても、自分で仕事に対する誇りがなければ、前向きに取り組もうという気持ちにはなれませんし、目標がなければ心を耕そうとは思いません。
 日々の業務の中で、プロはこのようにして自分のモチベーションを保っています。

 プロとしての毎日の行為は、お客に満足してもらおうとする平素からの心がけの現れであり、仕事に対する誠意の現れだからです。
 この世の中に「雑用」という用はない。私たちが用を雑にした時に、雑用が生まれる。
 この世につまらない仕事はありません。